美しい森と湖
北海道の春は、梅、桃、桜(エゾヤマザクラ)が一度に開花するだけでなく、草花も早いサイクルで一度に咲き始めるものらしいのですが、今春は、早くからの気温の上昇の影響により、通年以上にそのサイクルが早かったようで、(たまたまこの時期に札幌周辺を訪問したところ)木々の新緑が吹き始める前の木立の地面に、野の草花が次々と開花して草花の絨毯のような風景をみることができました。
木立の下に一面のエゾエンゴサク、クズ、スミレ、ザゼンソウ、ミズバショウ、ヒトリシズカ、ニリンソウ、エゾリュウキンカ、マイヅルソウ、他にもかぞえきれないほどの草花などが地面を覆い尽くしていて、歩く道は一面のふかふかの苔の絨毯で、柔らかい地面にエゾシカの足跡もありました(足跡の写真は撮り忘れました...)
群生するエゾエンゴサクの中からエゾリスが立ち上がる愛らしい瞬間には出会えませんでしたが、とても癒される森でした。
その美しい場所は森と湖の所有者が日々手入れをしているとのことでした。全くの自然の造形ではないけれども、自然を破壊することなく限りなくあるがままに美しく生かし保存しているものでした。(札幌市北区 ペケレット湖)
エゾエンゴサクは青から赤紫まで微妙な色合いの変化があり、群生している風景は印象派の絵画のようです(冒頭写真)。中には、白い花をつけたエゾエンゴサクもあり、白い花は変種なのでしょうけれども、白い花が混じると一段と美しさが引き立ちます。
こうして大好きな植物の生態を見ていると(労務関係に携わっている職業柄なのですが)職場の人間関係、能力発揮、協調するあり方などに重ね合わせて色々と思い巡らしてしまいました。
自然のまんまの自由奔放がいいわけではない…
それぞれの能力、才能を発揮する適切な場所とタイミングがある…
だからと言ってそれを各人の判断に任せっぱなしでいいというわけではない…
全体をみることができる人が、スタッフそれぞれの能力、才能を発揮できるよう、適材適所を考えて、人員配置することが大切なのではないか…
職場の上司・経営者が、この美しい森と湖を所有し管理している人のようなら、スタッフひとりひとりが美しい花を咲かせることができて、職場の意気が調和するのではないか…
こんなふうに職場の理想郷に思いを馳せ、恍惚としました。