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顧客が求めるものをWebサイトに反映させるために

はじめに

ウェブサイトを作って売上をあげたり問い合わせを増やしたりという結果を出すための鍵は、お客様の課題の核をとらえて、それを解決する施策をデザインに反映させることにあります。
これは単に「発注通りに作る」という作業ではなく、徹底したリサーチと分析、そしてクライアントとの綿密なコミュニケーションが必要です。
5年以上のディレクター経験の知見を交えつつ、効果的な方法を解説します。

1. 顧客ニーズの把握: お客様の言葉の「裏側」を読む!

多くのクライアントは、「カッコいいデザイン」や「ユーザーが使いやすいもの」といった抽象的な要求をします。しかし、本当に必要としているのは、「どのような問題を解決したいのか」や「どのような成果を期待しているのか」です。

◆ヒアリングの質を高める

「ターゲット顧客の具体像を教えてください」
「今、最も困っている課題は何ですか?」
「理想的な成果はどのような形ですか?」
こんなありきたりな質問をしていませんか??
はっきり言います。お客様にいくら聞いたところで、お客様の中に答えはありません!
では、どうやって課題の核をつかむのか

①類似案件の分析

過去に似た業界やターゲット層を扱ったプロジェクトのデータや事例を活用します。その時の課題や、解決策として示した機能面・デザイン面は参考になります。

②現状サイトや競合サイトの徹底分析

現状サイトの課題や、競合サイトでうまく機能しているポイント、また機能していないポイントも洗い出し、必要なものと必要でないものを選別します。

2. ペルソナの明確化: ターゲットの顔を見える化する

顧客のニーズを反映させるには、ターゲット(ペルソナ)を具体的に描く必要があります。ペルソナが明確でないと、デザインやコンテンツがぼんやりしたものになり、成果を出すことは難しいです。

◆顧客アンケートの実施

事前にお客様の事業形態・現行サイト・ベンチマークしているサイト、などを聞いておきます。
その上で、ペルソナを設定し、サイトを利用する流れを具体的にシナリオとして描きます。例えば:
例:「Aさん(35歳、ワーママ)は仕事帰りにスマホでサイトを閲覧し、5分以内に商品の詳細を確認したい」
このようなシナリオを基に、デザインや導線を設計します。

3. デザインに反映する: 見た目以上に「使いやすさ」を意識する

顧客ニーズとペルソナが明確になれば、それをデザインに落とし込む段階です。このとき、重要なのは「クライアントの期待」と「ターゲットの使いやすさ」を両立させることです。

◆ワイヤーフレームの共有と確認を繰り返す

お客様は視覚で見なければ判断できません。デザイン案を作る際は、いきなり本番レベルのデザインを作り込むのではなく、ワイヤーフレームで構成を共有し、ラフデザインでトンマナを確認します。これにより、ズレを最小限に抑えることができます。

◆CTA(行動喚起)の配置を徹底的に最適化する

ペルソナが望む行動(商品購入、資料請求など)を自然に取れるよう、CTAボタンの色、形、配置を工夫します。
工夫といってもおしゃれなだけの、視認性が悪いデザインはNG!
・ボタンがあるのがわかる
・押せるのがわかる
・何に飛ぶかがわかる
とにかく「わかる」ことが大切です!

◆レスポンシブデザインの徹底

toCのビジネスの場合は特に、スマホやタブレットでの利用がメインとなるため、どのデバイスでもストレスなく閲覧できるデザインは必須です。
コンテンツの最大幅、最小幅・ブレイクポイントをしっかりと定義します。

4. デザイン後も分析・改善を繰り返す

ウェブサイトは公開して終わりではありません。運用を通じてデータを収集し、継続的に改善していくことが大切です。

◆アクセス解析の実施

Google Analyticsやヒートマップツールを活用し、ユーザーがどのようにサイトを利用しているかを分析します。
また、デザインやコンテンツの一部を変更し、どちらがより効果的かを検証するABテストも実施します。例えば、CTAボタンのテキストを変更することで、コンバージョン率が大きく変わることがあります。

◆クライアントと定期的な振り返り

クライアントと定期的に成果を確認し、必要に応じてデザインやコンテンツを調整します。
他に困りごとがあれば相談してくれる機会にもなるので、このコミュニケーションはコストと思わずに実施しましょう。

経験から得た教訓

私が100以上のサイトに関わって感じたのは、デザインの良し悪しは「見た目」だけではないということ。クライアントが求めるのは成果であり、それを生むためにはターゲットのニーズに根ざしたデザイン=その商品やサービスを買いたいと思わせることが必要です。
また、お客様自身が自分達のターゲットを曖昧にしか捉えていない場合も少なくありません。というか、ほとんどです(笑)その意味で「提案ベース」での進行が、自分達にとってもお客様にとってもベストであることが多いです。
提案で当てに行く。違えば議論して、正常な方向にベクトルを向ける。
制作工程は、その繰り返しです。何度も何度もやる中で、経験値というデータベースに情報が蓄積されて、お客様を唸らせる提案ができるようになっていきますよ!

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