BanG Dream! It’s MyGO!!!!! 感想7 #11 〜雨降って、止んで、そして〜
このブログを読んでくださっている方、こんMyGO!!!!!
今回は作品の山場をまた1つ越えて終盤戦に突入した#11の感想です。
そんなこの記事を書いている最中、
ついに1週間を切ったガルパのMyGO!!!!!の実装。
テレビCMも流れてきて、新しい出会いの予感が感じられます。
そんなテレビCMでも一瞬流れる新曲「歌いましょう 鳴らしましょう」。
MyGO!!!!!は潜在表明でも無路矢でも焚音打でもそうでしたが、
不意打ちで”化け物”みたいな曲を公開してきます。
そして、ガルパに実装と同時に影色舞に加え、カバー楽曲の
「swim」と「猛独が襲う」も楽曲追加。
この2曲はリアルライブではお馴染みの曲たちでしたね。
swimではドラムの立希に近づき演奏する姿や、燈が楽奈に背中を預けたり、その後に互いに指をさし合いながら離れていくなど
MyGO!!!!!の曲ではないからこその遊び心も見られるので、
オリジナル曲が増えても披露の場があると個人的に嬉しいです。
この2曲以外でも「君の神様になりたい。」や「Henceforth」など
生演奏で聴けるなんて想像もしてなかった曲たちもおすすめです。
では、そろそろ本編にいこうと思います。
今回もネタバレ全開でいくのでお願いします。
#11 それでも
あらすじ
話し合う
#10では話すらできない状況を燈の詩で気持ちを無理やりにでも一方的にぶつけることで突破口を作りました。
ただ、それでも突破口を作ったところまで、決して解決したわけではない。
そしてそれは、完全に解決することは一生ないのかもしれない。
それでも気持ちの落とし所をそれぞれが見つけていくしかない。
#11ではその第一歩が描かれたのではないでしょうか。
そして、そのために必要だったのが話し合うこと。
前にもどこかの回の感想記事で書いた記憶があるのですが、話し合うこと以外のコミュニケーションが何かを生み出すこともあれば、やっぱり自身の気持ちを素直に言葉に乗せて話し合うことも必要な時もある。
燈はたまたまそれが苦手なだけで、逆に言えば燈以外が詩で気持ちを届けることに適しているわけではありません。
燈のおかげで再び集まれた愛音・立希・そよの話し合う様子が要所要所で描かれ、その全てで今までとは違い素直な感情が見られました。
立希✖️愛音
バンドがバラバラでも練習を続けた愛音。
#10では普通の絆創膏だったのが#11では燈の絆創膏に戻り、それだけでギター練習の傷が痛々しい印象から燈と愛音が大切な時間を共有している証に変わる演出が個人的に好きです。
そして素直にそれを褒める立希。
ライブのMCや迷子集会などアニメ放映開始以前に様々な場面で立希が愛音に言っていた”練習真面目にして”というニュアンスの発言の数々。その時は愛音の極度のめんどくさがりを強調するセリフだと思ってましたが、このシーンの後だと愛音への照れ隠しや敬意など違う聴こえ方にも聴こえるのではないかと思いました。
愛音✖️そよ
そして立希に続き、今度は愛音とそよ。
#10とはまた違う、嫌悪や信頼が混ざり合った複雑な心情がそよから感じられます。
個人的に印象に残ったのが燈の頑固さについての会話。
愛音から燈は愛音と立希と喧嘩してまでもそよを諦めなかったことを知り、素直に驚くそよ。
実は改めて振り返ると、そよは#7でのライブのステージ裏から#10でのライブまで#9で一瞬目が合ったことを除けば全く関わりがありません。
燈がそこまで自分を求めてくれていたことが意外だったのでしょう。
#9での感想記事でそよがCRYCHICにこだわるのは祥子が自分を自ら必要としてくれたからではないかと予想しました。
でもそのCRYCHICは祥子自身の手で終わらされてしまった。
だから、自分が求める居場所はもう一生手に入ることはない。
自分を自ら必要としてくれる居場所なんてもう無い。
そうやって、勝手に諦めたからバンドを辞めた。
でも、そんな身勝手な自分を燈は一生離さないと、必要であると求め続けていた。それを自分が知ろうとしなかっただけだった。
案外、そよが求めればそよの欲したものはすぐに手に入っていたかもしれないという皮肉な結末をそよが知った残酷なシーンなのかもしれません。
後これも大事ですよね。
愛音からのそよの愛称が「そよさん」→「そよりん」に。
仲直りしてメンバー間の愛称がより親しいものになる。これ自体は王道な展開です。ただ、MyGO!!!!!は今までアニメ以外のコンテンツでも「そよりん」や後から判明する「ともりん」、「あのちゃん」は完全に伏せられていたので前からMyGO!!!!!を応援している人ほど驚かされる演出でした。
そよ✖️立希
少しシーンは飛びますが、そよと立希も#9とは違い穏やかながら少し緊張感もある話し合い(というより立希の一方的な懺悔)が描かれました。
話し合いの先陣を切ったのは立希からでした。
#9でそよに指摘された”自分のためにみんなを利用している”という事実。
そよのCRYCHICの気持ちまで知ってて、利用していたこと。
それを自覚して謝れること。
立希はその不器用さから”弱い”と形容されがちなのですが、
しっかり”立希の強さ”がわかる良いシーンであると思います。
当初は狂犬や一匹狼と表現されていた立希の本当の強さが、終盤で互いにある程度理解できたからこそ発揮されるのは感動的でした。
同じ熱
#11では今まで謎が多かったキャラクターである楽奈の生態も解明されていきました。
もともと、祖母のライブハウス「SPACE」を居場所にしていたギター大好き少女であった楽奈。しかし、アニメBanG Dream! 一期で描かれましたが、その居場所はなくなってしまう。
当たり前に一生あると思い込んでいた居場所が急になくなる。それもそれを経験したのは中学1年生の時。次にしたいことが見つかることもなく、迷子になってしまうのもしょうがない。
そのまま2年の月日が経ち、そのまま成長したのが楽奈という少女だったのだと推測できます。
楽奈関連だとずっと後に回していた大事な考察があります。
それは楽奈にとっての「おもしれー」と「つまらねー」の定義です。
ここからは完全な憶測の時間です。
BanG Dream! It’s MyGO!!!!!でのそれらが使われた瞬間だけでもある程度予測はできるのですが、今回はそれに加えてもう一つ憶測の根拠を足して話していこうと思います。
というのも楽奈の「おもしれー」は燈たちと出会い生まれた概念というより燈たちと出会う前から既に確立されていたと考える方が自然なので、当然その考察も必要だと思ったからです。
となるとやはり必要なのはライブハウス「SPACE」で楽奈が見てきた景色が重要なはずです。
ライブハウス「SPACE」で楽奈が見てきた景色はGlitter*GreenやPoppin'Partyをはじめとしたオーナーが認めたバンドのステージ。
つまりオーナーはオーディションで何を重視したのか。それをBanG Dream! 一期から思い出せば楽奈の「おもしれー」が少しはわかるのではないかと思いました。
オーナーがステージに上げる条件として重視したもの。
それはバンドの演奏力や知名度ではなく、
バンドメンバー全員が演奏をやり切ったと迷うことなく言い切れるほど熱中できるかということでした。やり切ったと言ってもミスをしないなど後悔をするなという意味ではなく、1mmの後悔すらしたくないという熱量を一人一人がその演奏に込められたのか。その熱量は必ず観客に届く。
きっと楽奈もその熱に魅せられた一人なのではないでしょうか。
まとめると楽奈の「おもしれー」とは「後悔せずにやり切るという強い覚悟」ではないかというのが私個人の結論です。
そう仮定すると、一生バンドやると決意する燈に「おもしれー」と思ったり、逆にそよを取り戻すかバンド練習をするかの覚悟が揺らいだ燈に「つまらねー」と評価を一変させたり、RiNGでの燈の単独ライブでの詩から伝わる気持ちを改めて聴き(意味自体は不明でも)その覚悟を感じたので再び「おもしれー」に評価が戻る。
矛盾は感じられないと思います。
もちろん考察の答えは自由なので正解というものはありません。
考察をしてほしいからあえて正解を断定していないと思いますし、いろいろな考察がある方が面白いので是非チャレンジしてみてください。
だいぶ長くなりましたが、楽奈で語りたいことはもう少しあります。
ライブハウス「SPACE」がなくなり、迷子になった楽奈。
ただ迷子と言っても、色んな迷子があります。
楽奈の迷子は比較的シンプルなものだと思います。
それは「SPACE」そして、「CiRCLE」や「RiNG」で見続けてきたであろうバンドメンバー全員がやり切ったと言い切れるほどの熱量を共有できる仲間が自分も欲しかっただけなんだと思います。
序盤の愛音とも違い、バンドなら誰でも良いわけではない。
つまらねー女であるなら意味がない。むしろいらない。
楽奈は#6では練習にくるのも不定期。
練習に来るなら来る、来ないなら来ない。これらを連絡できなかったのはSNSの使い方を知らなかっただけですが、そもそも楽奈は来たいと思えば何があっても来ます。
今回の#11では明らかに以前よりもバンドに協力的でした。
#8でも今まで興味なかったSNSの使い方も学んで#6よりもバンドへ積極的に取り組もうとしていた姿勢が見られました。
この心情の変化。
#6までは燈以外は大して覚悟もないつまらねー奴らばっかという印象だったのだと思います。
#5の終盤に覚醒した愛音でしたが、それまではバンドに一生をかける覚悟もなく、おしゃれでバンドしたいぐらいの気持ち=楽奈が嫌うタイプの性格でした。楽奈は他者への興味はないものの、その心を感じ取ることには優れていると思われるので立希やそよもバンドとは違う目的であったことは見抜いていた可能性が高く、だから言う事を聞かなかったとも考えられます。
しかし、#7でのライブで少し見方が変わった。
碧天伴走や春日影での演奏を通して楽奈がずっと欲していた感覚が手に入れられた。5人で同じ熱量を持った演奏ができた。
だから燈以外にも信頼してもいいと考えた。
それが#8での行動につながった。
#10でも立希をステージまで引っ張り上げ、愛音には「やっと来た」とずっと待っていたと気持ちを告げて、そよにはベースを手渡した。
#11でも碧天伴走の時よりも積極的に作曲に貢献するどころか、愛音の衣装作りも手伝う姿を見せました。(結果は別として)
変化の見えない自由人に見えて、しっかり成長?を見せているエキセントリックガール。そんな楽奈の感想でした。
迷子のバンド
#11での感想で真面目なことばかりを書いていますが、
それ以上に#11の見どころはクスッと笑えるシーンが満載なのが最大の特徴だと思います。
迷子集会でも愛音を演じる立石さんが好きな回だと語っていましたが、その理由がよくわかります。今までのBanG Dream! It’s MyGO!!!!!で平和かつ笑える雰囲気のシーンはかなり貴重でしたから。
授業中に爆睡する燈。
#4で見せたウザさ満載の愛音の復活。
切っちゃった楽奈。
嫌々ツッコミ役に回されるそよ。
燈にあだ名をつけて欲しかった立希。
今までのイメージをまた変える、新しい一面やツッコミどころがテンポ良く来るので見ていて素直に楽しいと言えると思います。
さらに、そんなドタバタ劇が繰り広げられるのは、そよや愛音の自宅。
メンバーそれぞれの自宅でわちゃわちゃしている。
そよがそこまで警戒を解いているのも含めて、ようやくここまで来れたのかという謎の達成感すら感じました。
そんな中「ANON TOKYO」とかいうなかなかにやばい名前のバンドになりかけていましたが、ようやくバンド名と迷子が結びつきました。
あれだけ一緒に迷子になろうと燈から熱い勧誘を受けた愛音からすればなぜもっと早くその案が浮かんでこなかったと言いたいレベルなので、視聴者からすれば自然な展開です。
立希からしたら急に湧いてきた言葉にも思えるかもしれませんが。
あとそよからしても起きたらバンド名未定(第一候補 ANON TOKYO)から迷子のバンドに決定している。(+自分の衣装が真っ二つ)
そんな状況なので詳細に描かれることはありませんでしたが、かなり困惑したんだろうと思います。
寝方にも違いが見れて面白いですね。
ちなみに寝る姿勢の心理の情報を集めてみると、
愛音、立希(仰向けで手を組む)
仰向け→安心していて心地よさを感じている。
手を組む→安心できる現状を維持したいと思っている
→自分に注目を集めたいと思っている
→周りから身を守るため身構える
まとめると失敗を恐れ、努力でコツコツ自信をつけようとするタイプ
その一方、心配事やストレスで突如不安に襲われるかも。
燈、そよ(横向きで燈は少し丸まって、そよは真っ直ぐ)
横向き→一番バランスに優れた姿勢
→自身を好んで曝け出すこともしないが、隠しもしない
膝を抱える、背中を丸める→不安を感じている。
少し足を曲げる→安定した状態、協調性がある
まとめるとそよは安定しており、燈もそこまで不安を感じている様子ではなさそう。
ここまで想定して作られているかはわかりませんが、案外間違えているとは思えません。
愛音と立希は寝る姿勢でも似たもの同士であることがバラされ、燈も不安と安定の間という今の心理状況とそこまで違いがあるとは思えません。
そよも口で言うほど居心地の悪さは感じていない様子。
それはその後のつい出てしまった笑顔からもわかりますね。
総括#11
全13話中11話で終盤も終盤でようやく一休みできる回となりました。#10の怒涛の感動がありながら、次の回ではまたギスギスドロドロがこないと言い切れないのがBanG Dream! It’s MyGO!!!!!だったので少し安心できる回でした。(その分MyGO!!!!!ではないところで#12・#13で暗躍している陰が見え隠れしてますが)今回の記事のタイトルは雨降って、止んで、そしてと決めた理由は”雨降って地固まる”から持ってきました。#1から#10までどこか止みそうな瞬間はあったもの結局止むどころか突如ゲリラ豪雨になり降り続けた雨。それがようやく#10のラストで止み、#11では少し雲が晴れた?のかという印象。でも地固まる段階まできたかというとそんな簡単にもいかないそんな#11だと思いました。
そして最後のシーンで眠る3人に陽が射す場面。
詩超絆では夏の暑い日差しで干からびそうと詩に込めていましたが、今回は暖かくこれからの5人を祝福するかのような光でした。結局この世界にあるものはポジティブにもネガティブにも、その捉え方はその人次第。
栄光の過去に囚われていて前に進めない。そんな時は”今”を見つめ直してみると案外今も悪くないと思えるかも。個人的にはそんなことも勝手に思ったりしてました。
と、今回の感想記事は以上です。
次回はいよいよMyGO!!!!!としての初ライブが描かれる#12の感想記事ですが、これは公式の場面カットが上がってからゆっくり取り組もうと思ってます。(たぶん今週の#13の放映に合わせて、2話分同時に上がるかな)ちょうど自分も大学が再開するタイミングですし、更新の頻度は下がってしまいますが、どう言った形でもクオリティを落とさない記事を書く予定です。ただまだ未定ですが、もし時間が余れば番外編としてMyGO!!!!!の1st~5thまでのライブを感想をまとめた記事を書いてみてもいいかなと思ってます。ダッシュボードで記事の閲覧数を見ても感想記事1が好評っぽいので求めている人自体はいるのかなと思いましたし、あくまで番外編の感想記事ですが。
#11も終わり、この感想記事も終わりが近づいていることが寂しくもありますが、最後まで読んで少しでも楽しんでくれる人が一人でもいてくれたらそれだけで嬉しいとポジティブに考えて頑張っていこうと思います。
おまけ#6
今回もおまけコーナーをしていきます。
今回は「無路矢」です。
アニソン業界の重鎮たちがこぞって絶賛している楽曲ですね。
私も4th Liveで初めて聴いた時は心が震えている感覚がありました。
イントロから中毒性があり、アニサマでも一曲目でこのイントロが流れただけで一部から歓声が上がりました。
どこか90年代の邦楽ロックの曲調に楽奈を演じる青木さんの綺麗なファルセットでのツインボーカル。バンドリ自体にもツインボーカルの曲だけでもかなり数が絞られインパクトがあるのに、ファルセットでリードギターが歌うなんて魅きつけられない人はいないでしょう。
そして楽奈と燈のツインボーカルの曲ということで当時全く情報がなかった楽奈というキャラクターの本音がわかる曲でもありました。
「生まれた地球(ほし)にいるはずなのに何故か 本当は僕だけが 違う星から来たみたいだった」
周りに馴染めなさそうな燈と楽奈を的確に表している歌詞だと思います。
また、MCや迷子集会で見えてくるキャラクター像は自分中心でギター(あと抹茶と蕎麦)以外に興味のない天才キャラのように見せていたし、実際に自分もそうだという印象がありました。
ただ無路矢を聴くとそうではないことがわかりました。
「途切れそうな 信号(ことば)でも繋いでほしい その音で」や
「音の中でなら 話せたんだ」「それでもいいよ 君と響きあえるなら その音で」といったように実は楽奈自身は他者との関わりを拒絶どころか求めていたとすら感じさせるものでした。
ただ、楽奈は言葉にすることは得意ではなくて、
燈がそれを詩に込めたように、楽奈はそれをギターの音に込めていたのではないか。楽奈がギターを常に手放せないほど大事にしているのは、ギターそのものが好きということに加え、楽奈にとってはギターが会話の手段で心の拠り所になっているからではないかと色々予想したことを覚えています。
結局アニメではその予想が合っているのかは分からないままなのかもしれませんが私にとって嬉しかったのは、理解がしずらかった楽奈が少し自分にも共感できるところを見つけられ、得体の知れない怪物から等身大の少女であると思えたことです。
今回はあえて燈の歌唱パートの歌詞のみでこの曲を語っていますが、本来は楽奈のことを考察するには楽奈のパートからみるのが正しいので是非注目して聴いてほしいです。
また、同じ言葉でも2人それぞれ表現が違ったりするのでそんな細かな違いも含めて考察しがいがあるところばかりな曲ですね。
そんな奥深さにぴったりな雄大さも兼ね備える無路矢の紹介でした。
おまけは以上です。
今回の記事はここまで、
気に入ったら次回も読んでくれると嬉しいです。