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夫の稼ぎを超える日
うちの夫は、家事をしません。
うちの夫は、子育てをしません。
うちの夫は、妻の仕事や働き方に文句をつけます。
うちの夫は、「夫の仕事が一番重要だから、妻が働いて子育てや家事を夫に頼むようでは困る」と言います。
なので私は一人で3人の子どもの面倒を見て、家事をすべてこなし、仕事をしてきました。
いったい、いつの時代の話だよって思うかもしれませんが、平成令和の話です。
当時、在宅で好きな時間にできるような仕事をしていたのだけれど、年度末の決算でめっちゃ仕事に追われていた時。子ども達を寝かしつけて、夜な夜なせっせとパソコンに向かって仕事をしていたら「そんな働き方やめて、もっと気楽にコンビニとかで働けばいい」って数時間がかりで説教されたこともありました。
いやはや。家事も子育てもこなした上でやってるのに、なんで私の働き方にまで意見されねばいけないわけ?
今思えば随分立派なモラハラだよねって思うけど。
そのさなかにいる時は、気づかない。
十数年、ずっと苦しかった。
子どもが大きくなって、手がかからなくなり、代わりにお金がじゃんじゃんかかるようになってきたこの数年。
学資はいよいよピーク期突入。
私は本格的に学資を稼ぐことにしようと、個人事業で稼いできたのを辞めて、就職することにした。
家事との両立は大変かもしれないけど、これ幸い、子ども達は自分たちでももうできるしね。学資のためにフルタイムで働くから、協力し合おうよってのを、子ども達はすんなり受け入れてくれた。
そもそも。
妻の働き方とか、妻の仕事を下に見るくせに、夫の収入だけでは子ども達を大学進学させることもできないしね。
そして私はその時のいろいろなアレコレにより、なぜか保育士になった。
普通に事務員にでもなろうと就活していたのに、なぜか縁があって、そこから数か月で国家資格を取り、認定こども園の正職員になった。
46歳の新米保育士ね。
まったくの未経験からの保育士。
保育の世界に入って、この春で3年目。
違う世界で生きてきたけれど、その違う世界で培ってきた経験がうまくマッチするところもあったりして、出来ないことも多いけれど、お役に立てることもけっこう多くて、評価をいただけることもある。
なんだかんだここまで2年間頑張ってくることが出来ている。
そしてこの仕事の面白さも感じだしたりして、このまま定年まで続けてみようって思い始めている。
その一方で。
フルタイムで働く私は、もう夫の顔色を見たり、夫の言うことは聞かないことにしてた。
私はフルタイムで夫と同じ立場で働いている。
収入も夫よりは低いもののそれなりだ。その上で家事もしている。
子育てもすべて私がする。
「稼ぎ」を確立したら、子育てかあちゃんは強くなった。
この春。
給与が上がった。
思っていた以上に上がった。
そして私の稼ぎは夫の稼ぎを超えることになった。
ざまーみろ。