日本の直接的でない表現

 日本人としてずっと生きてきて、日本語を不思議と思った事は1度もなかった。しかし、最近、外国語の勉強を始めて、日本語の不思議さに気づいた。

 日本語には直接的でない表現の仕方がたくさんある、ということだ。そして、それが「美」として捉えられるのだ。例えば、「月が綺麗ですね」という有名な表現がある。意味は、好き、という意味である。日本人でない人からすると、好き、と言ったほうが早いし、相手に伝わるのではないかと思うだろう。しかし、日本人からすれば、好き、という直接的な表現よりも、濁してものを言う言葉の方が、魅力を感じるのだ。

 そして、例えば、「なんか」という言葉もそうだ。英語や韓国語などに「なんか」を直訳できる言葉は存在しない。だからこそ、日本語は、世界中の人たちから難しいとされているのだなと思った。それと同時に、日本人は、ものを直接的に表現することを嫌う人種なのだなと思った。自信がないことが多い、よく言えば、謙虚な人たちが多い人種なのかなぁとも思った。なんだか他の国にはない、特別なものみたいで、日本人として誇らしく感じた。

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