見出し画像

3⃣友達関係・いじめ

 中学校でのお悩み3つ目は、友達関係・いじめについてです。

 中学生は、自分と同世代の友達との関係をとても大切にする時期です。
学校生活の中で仲間意識が芽生え、大人と過ごすよりずっと多くの時間を友達と過ごす中学生にとって、学校での人間関係は最重要テーマです。
 人間関係の重要さは大人の社会でもそうかもしれませんが、中学生はまだ子どもとおとなの狭間の時期なので、良好な友人関係づくりがまだまだ苦手です。独りよがりの考えで他者への配慮ができなかったり、気持ちが不安定で、突発的・攻撃的な言動も簡単に出やすく、そこから思わぬトラブルやいじめに発展したりすることもあります。

 そして学校での人間関係は、下校後もスマホのなかで続いていきます。スマホ世代の友達関係は、より複雑に、なにか事が起こる展開がスピーディーで対応が難しくなっていて、悩みを抱えるお子さんはとても多い印象です。

 そばで見ている大人は、非常にもどかしくヒヤヒヤするものですが、お子さんたちは大人に色々言われることをうるさく感じてしまい、なかなか話してくれないことも多いのではないでしょうか。保護者としてはとても心配ですよね。
 子どものことは子どもに任せよう、と割り切る考えもありますが、大人の介入がどうしても必要な事案が起きることも十分にありますから、なにか不穏な様子を察したとき、そっと学校の先生に連絡を取るのもひとつ。

 子どもに話をきいていると、「おおごとにはしたくない」と、担任にも親にも言いたがらないことは結構多いのですが、「それは子どもだけで留めていい範疇を越えてしまっているよ」と助言をするような出来事もしばしば起きます。

 実は担任や顧問の先生も、子どもの変化に気づいていて、介入のタイミングをうかがっていることもあります。学校というのはたいてい事後報告になるので、なにかが起きる前に家庭にまで連絡がこないことが多いような気がしています。
 そこで家庭からも情報が入ることで、先生も子どもに声をかけたり、個別に話を聞く時間をとったりと相談体制に入りやすくなったりして大きなトラブルになる前に対処できることもあるので、学校と繋がることをためらわないで欲しいと思います。

 中学生の友人関係はとても不安定で視野が狭いものです。
 狭い集団のなかで、学業やスポーツの成績、キャラクター、容姿、グループの役割づけ、その場の流れやノリなど、断片的で表面的な判断で、謎の階級があたかも絶対的なものかのように存在していたり、傷つけられたり我慢を強いられたりすることが起きます。
 スクールカウンセラーとして、「そんなあほな!」「一軍なら何をやってもいいの?」などと突っ込みたくなる友人関係もしばしばあります。
「それ、我慢の範囲をこえているよ」「そんなことが起きていたら、大人に入ってもらわないと相手のためにもならないよ」そんなことを伝えると子どももそこで初めて自分の身に起きていることに気づき、今置かれている状況や人間関係を別の角度から見ることができます。

 大事なのは、あなたも相手も同じくらい大切にされている状態であること。あなたが傷つけられたり、相手が傷ついていい理由なんてないこと。

そういったことを伝え、凝り固まった関係から、少しマインドリセットを促します。

 中学生になると、小学生の頃のように謝って仲直り、だけではなく、友達と「距離を置く」「関わらない」そういった対処もできるようになります。相性が合わない子も世の中にはいるよな・・・なんて思えるようになると気持ちはだいぶ軽くなりますよね。
 
 友人関係に悩みつつも毎日の学校生活は刻々と続いていきますから、担任の先生に事情をよく把握してもらい、席の配慮や休み時間の過ごし方などの具体的な対処法も子どもと先生で打ち合わせておくと良いです。
 担任嫌いのお子さんでも大丈夫。中学校というのは教科担任制なので、クラス担任は朝と夕方のHRの時間、給食や掃除の時間といった限られた時間にしか教室にいられないため、子どもたちの配慮事項は学年の先生と共有され、学年のチームで様子を見てくれます。誰かひとり、子どもが話しやすい先生を学校内で見つけてくれていれば何とかなることが多いので、そうったキーパーソンになる先生の目星を普段からつけておいて、まず相談してみるのもおすすめです。保健室の養護教諭やスクールカウンセラー、前担任、部活の顧問など、子どもがより安心できる先生だと良いですね。

 中学生の友人関係については、この時期に避けて通れない重要なテーマなので、大人もそっと見守りつつ、アンテナは張っておき、いざという時のセーフティネットの役割をしてあげてほしいなと思っています。







いいなと思ったら応援しよう!