心理学を学んだら人の心が読めるようになりますか?
A. よけい分からなくなる
心理学=人の心を読めるってイメージありますよね。それも無理はないです。「他人を操る心理学」みたいな情報もあるくらいですから。でも、じつは心理学を学ぶともっとわからなくなるんです。
確かに心理学を学べば学ぶほど「傾向」には詳しくなります。ですが傾向を知っている分、目の前の人が違うことをする度に「なんで?」とわからないことが増えるのです。
たとえば、「人は真ん中の物を選びがち」とか(極端回避)、「みんなが『いい』と言っているものを自分も『いい』と言いがち」とか(同調圧力)、「直接褒められるより、第三者を介して褒められる方が嬉しい」とか(ウィンザー効果)です。
けど、これらはあくまでも「傾向」。多くの人が多くの場面でやりがちっていうだけの話であって、自分の目の前の人もそうである保証はないのです。
僕たち心理カウンセラーは、一生懸命相手のお話しを聞き続けます。これは相手のことが「わからない」からです。わからないからこそ「わかりたい」のです。
良かれと思ってやってあげる気持ちはとても素敵です。その素敵さを更に活かすために是非一緒に心理学を学びましょう。「人のことを学べば学ぶほど、わからないことが増えていくなぁ」という感覚が、「もっと人のことをわかりたい」原動力になり、ひいては相手のためになる選択ができる可能性を高めるんだと思います。