なんで怖い話を「楽しい」と感じるの?
A.楽しさが恐怖を相殺するから
怖い話に限らず、怖い体験が好きな方は多くおられますよね。遊園地の人気ナンバーワンアトラクションは「ジェットコースター」らしいです。
でも、よくよく考えると「怖い」と「楽しい」って正反対の感情のはず。どうして怖い話を楽しいと感じるのでしょうか? 不思議ですよね。
心理学的に考えると、「怖いからこそ楽しい感情が必要。だから楽しいと感じる」となります。
楽しい感情が必要なのは、「怖い」感情(恐怖)によって傷ついた心を癒すためです。恐怖と正反対の感情である「安楽」(楽しさ)が恐怖を相殺し、恐怖から受けたダメージを修復するのですね。
ちなみに、恐怖を感じたあとの安楽は強い刺激になります。サウナー(サウナ好きな人)が水風呂を「デザート」と呼ぶみたいなイメージです。この強い刺激を求めて怖いもの好きな人は、わざわざ進んで怖い体験をしに行くのかもしれませんね。
逆に怖いものを楽しめない人は「そこまでして安楽を求めてない」と思っているのでしょう。「サウナに入る必要があるなら、水風呂ではなく本物のデザートを食べるよ」という感じです。
ただし、「安楽」で「恐怖」に抵抗できるシチュエーションは限られています。安楽で恐怖に抵抗できるのは、
その恐怖が偽物であることを心のどこかでわかっている
『怖かったね~』などと共有できる存在が身近にいる
それほど大きくない恐怖である
慣れることが可能な恐怖である(例:乗ろうと思えば何度でもジェットコースターに乗れる)
などの条件がそろっているからでしょう。「エンタメ」としての恐怖体験は上記が伴っているはずです。だからこそ私たちは怖い体験に自ら望んで近づいていくことができるんですね。
ちなみに私は怖いのが大の苦手です。ホラー映画を観ようものなら、その日の夜は怖くて寝れなくなるほどです。
楽しめる方はぜひ、怖い体験を楽しんでくださいね。