『数字の象形』《おとぎばなし》「5」
「5」
世の中には、見えるものと見えないものがある。
自分の身体も同じと考えると不思議なことに気付くのじゃが、体が見えたり見えなかったりするなんて、考えたことがあるかのぅ。
むろん、目を閉じれば自身の体は見えなくなる。じゃが、目を開けているときでも、自身の体が見えたり見えなかったりする。なぞなぞのようじゃの。
それは…そうじゃ、自身の顔じゃ。その周辺は自分では見えない。これがあたりまえじゃ。
はじめは、周囲に映るモノ全ては他者であると認識する。そして「4」の中心に「5」の視点が据えられて、そうして、初めて「自らを覚る」という視点が顕われるのじゃ。
「5」は「2」の底辺を軸に対称的にひっくり返した象りになっておる。「3」で見たように、「2」の開いた曲線は自分の視点を意味しとった。
「3」の下の方の曲線は鏡に映った顔が他者と思っている視点じゃ。「4」の鏡を使って自分とその他者視点を何となく認識しつつある状態が「5」なんじゃ。
さらにこの「5」で他者の視点は自らの顔と同じと気付く。それに気付いた瞬間に「6」となる。意識が変化するから数字も変わるのじゃ。
自らの身鏡により、自らを発見した瞬間じゃ。
それが「自覚」の萌芽となり次の段階へ進んでいく。そこに「自我」が誕生することになるのじゃ。
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