「移住」と「働くこと」を両立させる
「豊かさ」や「住む場所」から「はたらく」をデザインする
通常は、「働く」という「形」が先にあって、「勤務場所の近く」とか、「会社への通勤時間を考慮して自宅はこの辺り」とか、そういったアプローチで「住まい」が付随的に設定されることが多いと思います。
しかし、今回は、「住む場所」から「はたらく」をデザインしてみる、という話です。
従来のアプローチとは対照的な話になりますが、実例も後述します。
当然、「置かれた場所で力を発揮すること」も重要ですが、「自分の力が自然と湧く場所を理解し環境を整える」という視点も「あり」ですよね。
それに、よく「人は環境の動物だ」なんて言い方をしますが、まさにその通りで、「住む場所を変える」という選択は、文字通り、その人にとって大きな変化を生みます。
極論、それはどこに住んでいてもできることです。
しかし、個人の感覚にもよるでしょうが、「なんか、ここ良いなぁ」と思う場所や、「この時間、豊かだなぁ」と思う瞬間ってないでしょうか。
そんな「場所」や「豊かさ」を根底に据えた「はたらく」をデザインできたら、素敵だと思います。今の時代に生きているからこそ、できることかもしれません。
「住まい」や「はたらく」がパラレルな例
「住まい」や「豊かさ」から「はたらく」をデザインする選択肢を知る場合、「住まい」について“パラレルな人”が微増傾向な点は知っておいても良いかもしれません。
色々なパターンがありますが、例えば、こんな感じです。
様々なパターンがありますが、首都圏8割、ローカル2割といったように、一時的にいくつかのパターンを考え、自分にフィットする形を模索しながら、「はたらく」も「住まい」も構築してゆく人もいます。
長野県佐久地域の実例
なお、私の知る事例として、具体例を挙げるなら、長野県佐久地域はその良い例でしょう。
長野県といっても広いですが、佐久地域は、長野県の東信エリア(軽井沢町、御代田町、佐久市、小諸市、上田市等)にあります。
東京から新幹線で80分という立地の良さも相まって、週末だけ拠点を設ける人、移住する人が増加傾向にあります。
この地域の特色なのか、私が実際に接してみて「面白い!」と感じた点は、3点あります。
その背景には、パラレルワーカー同士をつなぐハブ拠点として「ワークテラス佐久」というコワーキング施設の存在があります。
「働くこと」について何か相談したければ、とりあえず「ワークテラス佐久に行く」みたいな流れが出来つつある、とは言いすぎかもしれませんが笑、面白い人たちが集まっている印象です。
そのような施設がハブ拠点となり、人と人が自然に繋がる仕組み化ができています。
「仕事上」の付き合いだけに留まらないケースもあります。
具体例として言えば、休日に一緒にバーベキューをしたり、子供がいる方は子連れで家族同士で週末に自然探索に行ったり、セルフビルドしている小屋を一緒に作ったり、夜は森の中の家で星空を見ながら一杯飲んだり、と。
そんな「はたらく」と「私生活」の境界線が薄らぐような付き合い方を、本人が望めばできる風土があります。
もちろん、「本人が望めば」なので、その人がしっくりくる距離感を、心地よい距離感を、自分で作れる、ゆるやかな雰囲気があるように感じました。
もちろん、首都圏においてもそのような「はたらく」も「住まい」も構築することはできるでしょうが、佐久地域には、人と人の結びつきを重視し、共同体として生きてきた風土、雰囲気等が、まだその土地自体に残り香として残っているような気もします。
それは、縄文時代に大変栄えた地域であるように、多様な人を包含し、共生する地場、のようなものがあるのかもしれません。
仕事の発生の仕方を見ていると、首都圏と比べ、やや特異かもしれません。
具体的に言えば、広告や宣伝といったステップを挟まず、パラレルワーカー同士で話をしているうちに、何らかのプロジェクトが自然発生的にスタートする、といったイメージです。
そして、途中で足りないリソースがあれば、知り合いに声をかけて形になってゆく、なんてことも。
当然ながら、その前提として、「何をしている人なのか知っている」とか「信頼できる人なのか知っている」という、人となりや信頼関係を構築している前提ではありますが。
とは言え、各人、本業を複数持っている為、ものすごい必死というよりも、自分の中でその都度バランスをとり、自分の時間を割きたいものに時間を割く、といったように、個々人が余裕も持ち、自律している印象を受けます。
そういう「はたらく」が地方で徐々に増えてきている実感をもちます。
あなたの「はたらく」も「住む場所」や「豊かさ」から考えてみても良いかもしれません。
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