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【ゆるコラム】はたらく人の傍らに、ねこくんを。

「残業ねこ」のねこくん、ココハマ.に来たる!

どうもこんにちは!ココハマ.編集長の駒込です。

8月8日(木)より、ココハマ.にて漫画家・あおいしさんの新連載「ねこくんのしょんぼりライフ」がスタート。

あおいしさんの代表作は、snsで話題のコミックエッセイ「残業地獄のねこが転職するまでの120日間」。先日もあおいしさんご本人へのインタビューがYahoo!ニュースで紹介され、コメント欄には共感の声と働き方についての意見が多数寄せられている。
ココハマ.では、これから月2回(毎月第2・第4木曜)更新で同作の主人公「ねこくん」のプライベートに注目した新作をお届けする。

今年の初夏、私はひょんなことから、初対面であるあおいしさんご本人の横で著書を読むという、なんとも贅沢な機会に恵まれた。

主人公の「ねこくん」のイラストが可愛いなあと思いながら、スルスルと読み進めていると…

あれ?なんだか懐かしい。
作中でねこくんが味わう、このじわじわと日常が重たくのしかかって、からだと心の自由が利かなくなる、この感じ…
10年前の私の症状にそっくりだ!!

初対面の作家さんの横で、作中のねこくんの奮闘に過去の自分を重ねては涙ぐんだり頷いたり、共感しっぱなしの私。
10年前の31歳の時、私はうつ病と診断された後、体調不良が頻出したため当時の勤め先を退職したのだった。

客観的な視点を持つことの大切さを知った10年間

あおいしさんの著書をきっかけに、この10年間を振り返ってみた。
詳細は端折るが、私はクソ真面目に治療に専念した。しかし、早く元の自分に戻らねばと焦るほど、体調が一進一退するしょんぼりな現実に丁寧に向き合わねばならなかった。個人的には症状や治療云々より、社会と関われない日々が数年間続いたことがとてもしんどかった。
治療を開始して7、8年後の頃から、家庭運営と仕事が少しずつであるができるようになった。しかし、ちょっとでも気を抜くと(世間一般の基準ではない、自分基準の無理をすると)ひょっこりと「うつ」が顔を出す。

そしてある時ついに、きっと一生、この症状と共存していくのだろうと腹を括った。
それからは症状に対して冷静に対処できることが少しずつ増えていった。いつからかもう一人の客観的な視点を持つ自分が現れて、「よしよし、まあなんとかなるでしょ」と動けない自分に寄り添ってくれるようになったのだ。

この「客観的な視点を持つ自分」の出現は結構大事なポイントらしい。これを医者や心理士さんに世間話的なノリで伝えると、褒められる(顧客サービスかもしれないが)。

これはあくまで私見だが、あおいしさんは、ご自身の辛さや痛み、どうにもならない症状をコミックエッセイの執筆を通して「客観視」しているように思える。
そして不思議なことに、このあおいしさんの漫画を読んだ人も、共感という事象を通して自身を客観視できる——私自身の読後の感覚や、あおいしさんの書籍のレビューを読む限り、そのように感じるのだ。

ねこくんの連載を通して、はたらく人の心をほぐせたら

私の10年前の苦悩を時間差で癒したように、ねこくんの漫画を読んで共感した、救われた、という人はあとを絶たないようだ。

そんなこんなで私は、ねこくんの漫画がより多くの方の目に触れてほしいと思った。そして気がついたら、無謀にもあおいしさんにココハマ.での連載のオファーを出していた。
結果はなんとOK!あおいしさん、ご快諾本当にありがとう。

自分でご飯を食べるため、自身の人生の目標のため、家族のため。
向き不向きに関わらず、多くの人が、働くことを続けなければならない現実は今後も続いていくだろう。
そして、仕事内容や職場の人間関係等で体調を崩す人は、きっとこれからも一定数存在し続けるだろう。

あおいしさんが描く「ねこくん」の物語は、哀しいのにクスッと笑えて、時にはあるあるすぎて涙も出てくる。内容は決して明るいものではないのに、はたらく人の心に優しく寄り添い、それぞれに考える機会を与えてくれるのだ。

ココハマ.での「ねこくんのしょんぼりライフ」の連載をきっかけに、あおいしさんの漫画に触れ、ほんの少しでも心が軽くなる人が増えたらいい。そんな躍動がゆっくりと広がるのを妄想して、私は今日も一人でニヤニヤしながら、あおいしさんから届く原稿に目を通すのだ。


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