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はじめに 〜14のマインドフルネス・トレーニングを受けることを決めた

プラムヴィレッジのマインドフルネス・プラクティスに出会って約7年。
2018年から2025年年初現在まで、数ヶ月プラムヴィレッジの僧院でプラクティスしては帰国し、ということを繰り返してきた。

14のマインドフルネス・トレーニング(14MT)とは、プラムヴィレッジの在家修行者として授かる修行のひとつで、昨年、いよいよこれを受けようと決め、その道のりを歩きだしたところだ。

ここでは、そのトレーニングのひとつひとつを日本語と英語で紹介し、自分なりの体験や考察を書いてみたいと思う。

ひとつには、このトレーニングをより深く血肉化すること。
それはつまり、マインドフルネスをあらためて深く実践する心構えをもつことだ。


14のマインドフルネス・トレーニングとは

以下の引用を見ると分かるように、もともとは仏教の戒律であったものを、現代社会の文脈に置きなおし、トレーニングとして実践するものとなっている。
特徴的なのは、「禁止」ではなく、「〜によって生まれる苦しみに気づき、〜すること / 〜しないことを誓う」という表現になっていること。また仏教徒にならなくても、これを受けることができる。

14のマインドフルネス・トレーニング(2022年改訳)

プラムヴィレッジの14のマインドフルネス・トレーニングは、菩薩行の実行のために定められた五十八の戒律の現代版です。このトレーニングは単なる教えではなく、現実の生活におけるマインドフルネスの実践です。マインドフルネス・トレーニングを学び、実践することが「インタービーイング」の本質を理解する助けとなります。

https://www.tnhjapan.org/14mt

気づきを欠いた行いによって生まれる苦しみ

先に書いたように、このトレーニングは「〜によって生まれる苦しみに気づき、〜すること / 〜しないことを誓う」という表現になっている。
気づきを向けるということは、マインドフルネスの営みそのものだ。
気づきがあるということは、物事の見え方が変わるということ。
気づきを向ける前には、見えていなかった苦しみがあることを知る。

知ってしまうと、知らなかった以前にはもう戻れない。
そこからどう行動するのか。
自分も周りの人も、地球をも苦しめないために、何をしたらよいのか。何をしないほうがよいのか。
マインドフルネスは、すべきこと、してはいけないことを自分自身が見極めるための指針であり、14のトレーニングはそれを具体的に表している。

そして、わたしたちは知っていても忘れてしまう。
プラムヴィレッジではこのトレーニングを二週間に一度皆で読み合い、確認することもプラクティスになっている。

5つのマインドフルネス・トレーニングもある

14MTを受ける前には、5つのマインドフルネス・トレーニング(5MT)を受ける必要がある。こちらは仏教の五戒を現代版にしたもの。

わたしは、2018年にタイにあるプラムヴィレッジで受けている。これは、5日程度のリトリートに参加し、その1つでも実践したいと希望すれば受けることができる。
こちらについてもまたいずれご紹介したいと思う。

14MTを受けようと思ったきっかけ

きっかけのひとつは、昨年3月の来日ツアーで、あるシスターに「あなたのOIジャケットを貸して」、と言われたこと。
OIとは、Order of Interbeingの略で、インタービーイング教団と訳される。14MTを受けると、インタービーイング教団のメンバーとみなされる。

そして、OIジャケットは、14MTを受けた人がプラクティスやセレモニーのときに着る上着で、色はプラムヴィレッジのルーツであるベトナムの僧侶の衣と同じ濃い茶色、形は法被に近い。僧侶も在家も同じものを着る。

僧侶の法衣も同じだが、これを身につけるということは、自分はこの修行を実践しており、普及するために行動しています、という決意表明とコミットメントになる。

わたしは当時、来日ツアーの主催者のひとりとして奔走していた。シスターは、まさかOIメンバーではない人が主催をしているとは思わなかったのかもしれない。

まだまだプラムヴィレッジのプラクティショナーが少ない日本では、勉強やメンタリングなどの長いプロセスが必要な14MTを受けられる機会が少ない。
日本のサンガを長年支えていて、海外だったら当然OIメンバーになっているような人が、なっていなかったりする。
ただ粛々と修行をするプラクティショナーに肩書きはいらない、という思いもあるかもしれないが。

プラムヴィレッジと日本の橋渡し役になる

ここ数年のわたしは、海外のプラムヴィレッジの僧院でプラクティスをすることを第一に考えていた。
この先どうなるのか全く見えないなかで、それでもそうする以外できなかった。
こんなことを続けていてどうなるのかという不安もよぎりつつ、いつのまにか日本人の在家修行者で、こんなに長くプラムヴィレッジに滞在している人はいないくらいになった。
そして、こうなってみると、それ自体をひとつの特徴としてもいいような気がしてきた。

また内向的なわたしでも、これだけ長く関わっていると、何人かの僧侶の方達と親しくなってきた。そしてとてもありがたいことに、来日ツアーでのサポートを求められるようになった。

もともと、博物館でミュージアム・エデュケーターとして長く務め、展示やワークショップ、セミナーなど多くのイベントを開催してきたこともあり、それを今自分がもっとも大切にしていることに生かせる。こんな幸せなことはない。

そして、昨年3月の来日ツアーで、長年修行をしたきた僧侶の方達に1ヶ月随伴し、その在り方や教えに直に触れたことで、わたしの中の菩提心が大きく刺激された。

プラムヴィレッジと日本の橋渡しをする。
それがわたしの新たな願いとなった。

14MTをあらためて学び、自分自身の実践を深めること、また実践の成果を、自分自身、周囲の人々、全ての生き物、地球に還元する努力をする。
橋渡しの役割を、14MTをプラクティスするかたちで実現したい。
今、そんな思いがある。

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2024年夏、2ヶ月にわたり、プラムヴィレッジの本山やリトリートセンターやサンガを訪ねた旅の記録はこちらにあります。


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