私立の女子校という新しい環境

小学校6年生の時に、原動力の「地元の中学に行きたくない」という気持ちを最大限に使って、必死で勉強した甲斐があって、無事に合格した私立の中高一貫の女子校。
そこはエリア内では一応”お嬢様校”の位置づけで、付属の小学校も存在する。各学年3クラスしかない規模小さめの学校。付属の小学校が2クラスあり、中学受験組をもう1クラス分取るというシステムになっていた。そしてそのまま受験なしで同じキャンパス内の高校に進学し、同じ系列の大学が東京にある。

小学校から上がってくる子達は、それはもう生粋のお嬢様ばっかり。神戸の高級住宅街に家があり、親は社長か医者か弁護士・・・なんていう子がゴロゴロいた。
一方、中学受験組は公立の小学校から進学する子たちなので、私と同じように一般家庭が多い。その子達の方が(お金の感覚など)価値観が似ているし、新しく入る者同士なので、最初の学期はまずは中学受験組の子たちで仲良くなった。(中学2年生からは完全に小学校組と受験組が混ざった友達グループになる)


中学1年生の時は、なかなかうまくやっていけてたような気がする。早速できた仲良しグループの子たちと途中の駅まで毎日一緒に帰ったり、部活で「なぎなた部」に入ってみたり。カトリックの学校だったので、シスターが教えてくれる宗教の授業が週に一回程度あり、行事ごとに行われるミサがあるのも嫌いじゃなかった。事実、聖書を少しだけでも知っておくと、英語圏で役に立つ場面があるのでラッキーだったと後から思った。

担任の先生も最高だった。その学校に勤めて何十年のおじさんの体育の先生で、カトリックのお嬢様校というイメージから全く想像できない、少しガサツで大声で喋るおもしろい人だった。当時は喫煙の規定もそんなに厳しくなかったので、休み時間に体育館の跳び箱の上に座ってタバコを吹かしている姿を目撃した事もある。(笑)
その先生は本当にクラス全員の個性を理解していて、理不尽な怒り方もしないし、話は面白いし、この先生がずっと担任だったらいいのにとすら思った。残念ながら私達のクラスがその先生の最後の担当クラスになってしまったのだけど。定年まであと数年あったと思うけど、私達が中学2年生になる前にその先生は退職してしまった。

その先生の影響もあってか、中学1年生の時は小学校の嫌な思い出を忘れられるほど学校生活を楽しめたように思う。女子校なので、男子に容姿に対しての嫌なことを言われることもなかったし。


それから、もう一つその学校に行って良かった事があった。それは英語教育。

私立の学校は国が指定しているのと違うカリキュラムを組む事ができるので、その学校では小学校から英語教育を初めていた。確か私が中学1年生だったのは1999年なので、その当時では公立の学校では英語を習うのは中学生から。

しかし小学生から上がってくる子たちはすでに一定量の英語を学んでいて、中学受験組は1年生の間は別クラスを用意されるものの、2年生になると同じクラスになるので、彼女たちに追いつかないといけない。なので初っ端から日本で一番難しいと言われている英語の教科書を使った、とてもペースの速い授業だった。

もちろんネイティブの先生も数人おり、帰国子女の先生もたくさん。学校の部活にもESS部という、英語劇をする部活があったりなどして、英語をネイティブ発音で話す事が特別じゃない環境の学校だった。


初めて宗教に触れたり、英語に触れたり。今思えば日本にいながら少し異文化が体験できる学校だったと思う。友達もでき、楽しく毎日を送れると思っていたが・・・

中学2年生ごろから雲行きがあやしくなってきた。

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