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12通目「スピーチにおける心がけについて~体験談その①~」

 これまでの人生で、私が人前でスピーチしたのは、きちんと数えたことがないのですが、講演やパネリストなども合わせると大体20~30回ぐらいになるでしょうか。教育現場にいた時の約28年間は、「授業」という名のスピーチ(45分~50分)をほぼ毎日していたので、それも含めると、もう膨大な数になりますね(笑)

 ただ、どれだけ数をこなしていても、「慣れる」という感覚はありませんでした。むしろ下書きなどの準備に入る前から常に緊張していたという記憶があります。また、本番では、緊張のあまり顔の表情が固まっているのを、周りからは「いつも堂々として落ち着いていますね。」と言われることが多く、その度に「え~っ、今にも倒れそうなくらいドキドキしているんです~!!」と心の中で叫んでいたというのが実情です(笑)

 それはさておき、学校における授業では一コマあたり45分~50分、またテーマによるけれど、大体30分~120分の講演やセミナーなど、決められた時間の中で話すにあたって、事前に準備することは当然必要になってきますね。

 昨年1月に東京の浅草劇場で行われたHANAMICHIコレクションの「1分間スピーチ」に挑戦したのですが、この時私はどのようなことを心がけたのか、書いていきたいと思います。伝えたいことを1分間にまとめるというこの作業は、本当に難しかったし大変でしたが、とても貴重な体験ができました。

 たったの1分間という限られた時間の中で、聞き手にとって、「何を一番に伝えたいのかがわかる」内容のスピーチであることが、とても大切になってきます。

 この1分間スピーチに向けての準備は、次のような流れで進めていきました。まず日頃思っていることやみんなに伝えたい想いを形にする作業として、「原稿の下書き」⇒「原稿完成」⇒「暗記」⇒「リハーサル(自主練習)」⇒「本番」というのが一般的で、この記事を読んでいる皆さんも一度は経験されているのではないかと思います。

 発表内容の原稿の下書きをするにあたって、私が心がけたことは、次の①~⑩になります。下書きは、手書きでもPC入力のどちらでも、自分に合った方法で進めていくといいでしょう。ちなみに、アナログ派の私は手書きで下書きすることが多いです。

①どんなテーマで話すか
②一番伝えたいことは何か
③受け手(聞き手)にどんな感想を持ってほしいか
④受け手(聞き手)にどんな気持ちになってもらいたいか
⑤適切な言葉や表現になっているかどうか
⑥わかりやすい言葉や表現になっているかどうか
⑦話の流れがわかりやすいものになっているかどうか
⑧受け手(聞き手)にとって、心地よい内容になっているかどうか
⑨書いた内容を読み返して、違和感のないものになっているかどうか
⑩どのような形でのスピーチ(または講演)にするのか

 直前の急な依頼とかでない限り、事前準備として必要なものの一つに、やはり「下書き」があります。この「下書き」の段階が一番大切で、丁寧に取り組んだ分、本番でのスピーチにおける満足度がかなり変わってくると、私は思っています。

 スピーチ原稿の下書きは、①~⑩をいつも意識しながら、何度も何度も書き直したりするなどして、一番時間をかけたい作業になります。何度も書き直して、うまくまとめられたと思っても、⑨で読み返してみて少しでも違和感を感じたら、もう一度読み直していきます。繰り返し書き直していく中で、少しずつ違和感がなくなってきたところで、ようやく「納得」という形での下書き完成、次の段階⑩に入ります。

 ⑩では、簡単にいうとパワポイントを表示して話すのか、資料なしで話すのか、その時の状況に合わせて、発表スタイルを決めていくことになります。

 私にとって一番苦しい作業であるこの下書きは、なかなか言葉が思い浮かばなかったり、気持ちと言葉がマッチングしなかったり、時に気の遠くなるような作業ですが、自分の内面としっかり向き合わざるを得ない貴重な時間にもなるので、苦しいけれど、大切にしたい作業だと思っています。

 繰り返しになりますが、この作業にどれだけ丁寧に取り組むかで、スピーチ本番における自分の中での満足度が大きく変わってきます。それくらい、自分自身の成長に繋がっていく、とても大切な作業になるということを、しっかり心に留めておいてほしいです。

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