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13通目「スピーチにおける心がけについて~体験談その②~」

 前回は、スピーチにおける心がけについて、事前準備の一つとして大切な下書き作業があることをお伝えしました。
 今回は、下書き作業を終えた後(場合によっては同時進行の場合もありますが)、本番に向けてどんな準備したのかについて、私の体験談を少し話していきたいと思います。

 本番は、原稿なし(暗記)なのか、原稿ありなのか、状況によって大きく変わりますが、どちらにしても本番に向けて、事前に練習することが必要なのは言うまでもありません。
 本番に向けての練習にも段階があって、とりあえず私が練習でどのようなことを意識して取り組んできたのか、簡単に説明します。

①原稿を読む(自分の言葉として落とし込む)
②発表スタイルを決める(私の場合:「手話と声」「手話のみ」「声のみ」のいずれか)
③手話表現の確認(受け手に伝わる表現になっているかどうか)
④シミュレーション(本番をイメージして発表する)
⑤タイムを測る(決められた時間内に収まらない時の原因を分析する)
⑥途中で手直しが必要になった場合は手直しする

 まず、①「原稿を読む」は、基本中の基本でこれなくしては、次の段階に進むことはできないでしょう。かなりの場数を踏んでいて、その時の状況でアドリブをつけて話すことに慣れているプロでも、事前の準備にかける時間は膨大なものであるという話を聞いたことがあります。スピーチとは違うのですが、「8時だよ、全員集合!」で有名なドリフターズの志村けんさんは、本番前の準備では納得のいくまでかなりの時間をかけていたそうです。お笑いのプロだからこそなのでしょうね。このことから、事前準備というのは、本番と同じくらい、あるいはそれ以上に大切なものなのだということになりますね。
 ただ読むだけではなく、原稿の言葉が「自分の言葉となることを意識する」こと、同じ言葉でも、その人の想いが言葉に乗って伝わるのかどうかは、どれだけ自分の言葉として落とし込めているかにかかってくるといっても過言ではないでしょう。『言葉に、想いは宿る』という言葉があるように、スピーチにおいて、相手の心を揺さぶるかどうかは、その人の言葉に想いがどれだけこめられているかで大きく左右されると言っても過言ではありません。
 原稿を何度読んでも「違和感を感じる」としたら、それは、自分の想いと言葉が噛み合っていないということで、改めて見直すという作業が必要になってきます。①~⑥の作業の中で、一番時間を要するのは、①になるのかもしれないですね。

 こうして、①の作業である程度形が整って来たら、次に②の「発表スタイルをどうするか決める」、③「手話表現の確認」という作業に進みます。おそらく講演やスピーチに向けての練習をするにあたって、この②と③の作業は、ほとんどの人が体験することはないのかもしれませんが、ただ、耳の聞こえない私にとって、講演やスピーチなどで「手話を使うか使わないか」「手話を使う時に声を出すか出さないか」は、事前準備の段階で意識して取り組まなければならない大切な作業の1つでもあったので、あえてここに載せてみました。
 紙面の関係で、②③の詳細についてはここでは省略しますが、①~③までの作業を終えて、ようやく④の本番を意識したシミュレーションに入ることになります。
 ④⑤⑥の作業は、おそらく皆さんの中にも。これまで学校や習い事の教室などでの発表会に向けて、似たような練習の取り組みをしたことがあるという方が多いのではないでしょうか。

 大勢の前で話すというスピーチや講演会、コンクール等では、事前にどれだけ準備に時間をかけ、練習に力を注いできたかによって、結果が大きく変わってくるというのは、これまで述べてきた通りですが、ただ、事前準備においても、本番においても、大切なことは話す時の「心がけ」というのがあるということを忘れないようにしましょう。 このことについては、次回の記事でお伝えしたいと思います。

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