見出し画像

飲めないけど「ホットラテ」中毒。和田彩花とオムニバスのLIVEで浴びるエモの洪水


「ホットラテ」
作詞:和田彩花 作曲・編曲 Ryuichi Kawasaki 


これはもう……本当に……大好きな曲………!!


「ホットラテ」は和田彩花名義で発表され、オルタナポップバンド「和田彩花とオムニバス」のLIVEで演奏されている楽曲です。

まだ「和田彩花とオムニバス」というバンド名がなかった頃、あやちょ(和田彩花さん)がアンジュルム卒業後、ソロになって初のLIVEツアー「前2021 この気持ちの先にあるものはなに?」のZeppNagoya公演でこの曲を聴いて心を撃ち抜かれました。


なんて良い歌詞で良い曲なんだ、と。
一気に惹き込まれました。

その後コロナの影響で残念ながらツアーは中止になってしまいましたが、あやちょがパーソナリティを務めていたレギュラーラジオ「ビジュルム」で流れたり、あやちょが所属していたYU-Mのニコニコ動画での配信でバンド演奏が聴けたりしてとても嬉しかった記憶があります。

この曲はスタジオ音源とLIVE音源とでかなり印象が変わるのですが、今回は主にLIVE音源での「ホットラテ」の魅力について熱く語っていきたいと思います。

※この曲はキーはおそらくD♭Majorですが、♭を書くのが大変なのでキーを一つ下げてC Majorの曲として、
実音より半音下で書いていきます。


8項目書きました。一番のおすすめは「07. 胸が締め付けられる歌詞」です。これは是非読んでみてください。





01. サビのないおしゃれな展開


イントロ→A→間奏1→A’→間奏2→B→間奏3→C→アウトロ

所謂わかりやすいサビはない曲ですね。

J-POPでよく使われるA→B→サビのような展開ではなく、派手に盛り上げる気がなさそうなところがオシャレ感あって好きです。
静かにじわじわとヴォルテージが上がっていきます。


02. 脅威のサブドミナント攻めadd9


展開の始まりは、とにかくサブドミナントからです。
これでもかというくらいサブドミナントから始まります。
展開が変わっても劇的に印象が変わらないので、曲全体を通してある一定の雰囲気を維持しているように感じられます。

C MajorキーにおけるサブドミナントのFコード。
このFコードに9度の音「ソ(G)」が追加された和音Fadd9の響きがおしゃれエモいです。
この曲ではadd9の響きがキモになっている気がします。

FからEmやGに進行した場合は、和音の中に共通する音がないのでガラリと雰囲気が変わる印象を受けます。
Fadd9からEmやGに進行した場合、ソ(G)の音が共通しているため、Fからの進行よりもややぼやけた感じの進行感になるので、そこがおしゃれポイントなのかもしれません。

D♭Major(原曲のキー)という曲のキー設定も絶妙です。
Fadd9の響きをオシャレエモいと表現しましたが、エモさの中の特に「切なさ」要素。

私は胸がキュッとなる切ない響きが好きで、この「切なさ」を強く感じられるキーで嬉しかったです。
キーによってはこの切なさがあまり感じられなかったりするので。

個人的にⅣadd9の切なさ要素を特に強く感じられるのは

・D♭Major
・C Major
・B Major

この3つのキーです。
それぞれ少しずつニュアンスが変わってきますが、切なさ要素は強く感じ取ることができます。

ちなみにⅣMaj7だと、より強く切なさを感じます。
なので私はホットラテが収録されているアルバム「私的礼讃」収録曲の「#15」も大好きです。



03. 緩急の効いた浮遊感のある立体的なメロディ


シンコペーションしていたり、強拍にピタッとハマっていたり、加速したり、減速したり、上がったり、下がったり、
緩急の効いた浮遊感のある立体的なメロディが心地良いです。

メロディの始まり方もいくつかのヴァリエーションがあります。

休符を挟んで始まるパターン「『人と比べることではない〜』」
前の小節から始まるパターン「要らないかもの~」
小節の頭から始まるパターン「『人と比べることない~』」

休符を挟んで始まるパターンからは浮遊感を強く感じます。
前の小節から始まるパターンからは勢いを感じます。
小節の頭から始まるパターンは、その前がブレイクで一旦静かになった後にバーンと来るのでインパクトを感じます。

私は「ファ→ミ」や「ソ→ファ→ミ」という音の流れが好きで、これ結構曲中に出てくるので嬉しいですね。エモさを感じます。

メロディの中の最高音が「ラ」で、女性Voの音域としては意外と高くないのも特徴ですね。落ち着いた雰囲気になっていると思います。


04. 間奏、アウトロの楽しそうなあやちょ


シンセサイザーのフレーズに合わせて楽しそうに揺れながら笑顔で何かを口ずさんでいるあやちょがとてもかわいいです。LIVEでの見どころの一つです。


05. クイ気味に入るキメ


要所要所でクイ気味に入るキメ。このキメがバチっと入ることで曲がより立体的に感じられ、緩急の急の役割を果たしているように感じます。
曲のグルーヴ感を牽引する重要なポイントだと思います。
この「クイ」とか「キメ」という表記は手元にある90年代に発刊されたバンドスコアの文章から影響を受けています。


06. キャラクターの異なる2人のギタリスト


オルタナポップバンド「和田彩花とオムニバス」は現在Season2。
Season1はオータケコーハンさん、Season2はサマーさんがギターを弾いています。
ギタリストの交代で特に印象が変わったのが「要らないかもの概念〜」の展開。


・オータケさん
リズミカルで規則的なフレーズで、グルーヴ感を支えるフレーズ。コードが変わっても規則的なフレーズが継続することによるオシャレ感を感じます。


・サマーさん
空間系のアルペジオで、曲のニュアンス、空気感を演出するフレーズ。幻想的な印象を受けます。サマーさんはギターにカポタストを装着して演奏しているのも特徴です。


なので、この展開ではギタリストの交代で、リズミカルでおしゃれな雰囲気から幻想的な雰囲気へと変化しているように感じました。

ギターソロに関してはSeason2でも概ね踏襲しているのかなと思いますが、間奏でのギターソロがSeason1と比べると1オクターヴ上がっています。
ギターソロエモくて好きです。特にアウトロ。
爆発力に心が強く揺さぶられます。
シンセイザーのフレーズと同じフレーズを弾く箇所も好きです。



07. 胸が締め付けられる歌詞


「あなたの幸せすてきよ、私のそれはちょっと違っても」

ここ本当に大好き。エモポイントです。

ZeppNagoyaで初めて聴いた時に歌詞とメロディが同時に体に流れ込んできてあまりのエモさに胸がキュッと締め付けられて痛くなりました。
一番印象に残ったフレーズです。


ホットラテの歌詞があやちょが今まで書いた歌詞の中で一番好きです。
歌詞の内容もとても素敵なものですし、全編通して歌詞を意識して聴こうとしなくてもメロディと歌詞が自然と体の中に入ってきます。


「ゆらゆら」と言う歌詞は、この曲の中では珍しい、表拍4分音符4連続の「レ→ミ→レ→ミ」というメロディに対して当てはめられた言葉。
「と語るその未来」→「ゆらゆら」でメロディに「急→緩」の流れがあり、緩になったタイミングで生まれる浮遊感に対して「ゆらゆら」と言う言葉の響きでさらにその浮遊感を強調していて凄いなと思いました。直前の「未来」と韻を踏んでいるのも素敵ですね。

メロディに対して当てはめられた言葉と書きましたが、先日大阪で行われたあやちょのトークLIVEで和田彩花とオムニバスの楽曲(2025年1月現在、和田彩花名義で発表されている楽曲)は曲が先でその後に詞を付けるスタイルであることが言及されてたので、曲→歌詞の順に制作されている前提で書いています。



「この心臓と鳥の羽、どっちが軽いかしら?だなんて」
「近いようで近くない島」
「これが対立軸の間の世界」

とても好きな表現です。言葉としても好きですし、これらのフレーズが入ることによって、この曲の世界の物語のスケール感に広がりをもたらしている印象を受けます。


「『人と比べることない』 〜 貫く愛は今日もここに」
この曲の中で最も視点がズームされているセクション。


大好きです。


全部大好き。



その中でも特に好きなのは上でも触れた

「あなたの幸せすてきよ、私のそれはちょっと違っても」

です。胸が痛い。
「ちょっと」の「と」で、この曲の最高音の「ラ」が登場するのもエモポイントです。「ソ→ラ」と上昇してるのもエモポイント。
曲中で、ここでしか聴くことのできない特別な響きです。


そして「愛は今日もここに」

ここのクライマックス感が最高ですね。
感動のクライマックスです。

ズームされた視点から放射線状のエフェクトのトンネルを一気に抜けて、広くて重力の少ない別世界に視点が移って、
「ああ…ホットラテが終わってしまう……でも最高の映画を見たような気分だったぜ……!」
という心境になります。
この曲全体を通して私はオレンジ色の夕方感を感じていますが、この瞬間に浮かぶ情景の視点が遠く離れて俯瞰になるので一番夕方感、オレンジ色感を意識させられる箇所です。この夕方感はどちらかというと夜よりも昼に近くて、石造りの建物が並ぶ街並みに夕陽が反射してるイメージです。


楽曲全体を通して、

歌詞の内容・表現そのものの素晴らしさ、
メロディに対する歌詞のハマり具合、
曲の展開に対する歌詞での演出、

そして、

あやちょの魅力的で心地良い歌声・表現


全てが最高ですね。
あやちょ凄い!
ほんまにやばい。
私はいつも静かに大爆発してます。


あやちょの作詞をする上での初期衝動が詰まっているであろう歌詞を読んでいると、
「やっと自分の言葉で、表現で歌える」
そんな喜び・嬉しさもあったのかな、なんて考えが頭をよぎるほど、
生き生きとした歌詞だなと思います。




08. おわりに


いかがでしたか?


この記事、一部分を気分転換に近所のマクドで書いてたのですが、急に店内放送からかみちゃん(上國料萌衣さん)、れらたん(伊勢鈴蘭さん)、はなな(後藤花さん)の声が聴こえてきてびっくりしました。アンジュの曲も聴けて嬉しかったです。
元気が出ました。
筆は止まりました。

ヲタクなので仕方ありません。


誰かにあやちょの曲を1曲薦めるとしたら、私は「ホットラテ」ですね。
薦めるとしたらというか、もうすでに何回も薦めてます。

人との関わりの中で生み出される「葛藤」「痛み」「優しさ」そして、「強さ」

歌詞を読むだけでもあやちょの心情、考え、スタンス、人柄の一端に触れることができます。

あやちょは本当に優しいですよね。他人にも自分にも。
人の心を、気持ちを、大事にして尊重できる方だと思います。

それとあやちょがアンジュルムのリーダーだったときに掲げていた

「愛」と「多様性」

私はこのテーマがすごく好きで、これらの要素も感じられて本当に素敵な歌詞だと思います。感動しました。
この歌詞ほんまにめっちゃ大好き。


そして、曲も本当に素晴らしいです。
私は普段ダークな曲ばかり聴いたり作ったりしてるので、こういったオシャレでどちらかというと明るい曲を聴くと、とても癒されます。
本当に名曲です。曲と歌詞のシナジーが抜群です。

約4分25秒の曲ですが、LIVEでは体感2分くらいなので毎公演2回ずつ演奏してくれたら良いのになと思ってます。
個人的にはドラムのUさんのカウントが入る前に次にホットラテが来るという確信を持った上でホットラテを全身で浴びたいという野望があって、現在挑戦中です。何としても叶えたい。
サマーさんギターのカポを判断材料にしてみようかなと思ったのですが、

・いつでもギターがよく見える位置を確保できるとは限らない
・他にも同じ位置にカポをつけている曲がある
・ホットラテのイントロ途中にカポをつけるケースもある

などの理由から断念しました。
目で見えてるものだけで判断してたらダメですね。
五感をフル活用して、


いや、むしろ第六感を研ぎ澄ましたほうが良いのかもしれない。

ホットラテの気配を感じ取れるヲタクを目指します。




そんな「ホットラテ」大好きヲタクの私ですが、一つとても残念に思ってることがあって。



牛乳が苦手でホットラテが飲めないんですよ。



多分人生で1回か2回しか飲んだことがなくて、基本的に飲み物の選択肢に入ってないので全く親近感が湧かない。
ホットラテというくらいなので暖かいのは何となく分かるけど、美味しいと感じられるものなのかどうかが分からない。
ホットココアだったら配分次第では飲めるのですが。。。

ホットラテを飲める人が受け取っている情報を受け取れないのだとすると、
それはちょっと残念だなと思ったりもします。

ですが、
逆に考えると、


ホットラテが飲めない人にも胸を張っておすすめできる楽曲です!







約5年前に全身で浴びた衝撃、自分の中に生み出された感動をやっと言葉にすることができました。

もう、めっちゃ嬉しいですね。ほんまに。
やっと書けました。
急に書けました。

これでようやく人と感動を少し共有することができます。
書いてよかった。



記事の最後にホットラテの動画や音源のリンクを貼りました。
初期からある曲なので歌声や演奏の変遷も注目ポイントです。



めっちゃいい曲なので是非聴いてみてください。






ホットラテが飲める人も、飲めない人も。





🤞





和田彩花 - ホットラテ Hot latte 【MV】



ホットラテ(Promotion live edit.)【和田彩花】



[LIVE RECORDED] 和田彩花とオムニバス 20240731
(LIVEの定点での記録映像、ホットラテは18:54~)



「ホットラテ」収録アルバム「私的礼讃」by 和田彩花


「ホットラテ」収録アルバム「私的礼讃 LIVE Album」by 和田彩花






和田彩花とオムニバス「きいろいいえ」について熱く語った記事はこちら。


いいなと思ったら応援しよう!