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読書記録『イギリスお菓子百科』

せわしない毎日の中で、ほっと一息つける瞬間。
いろんな人がいろんな方法でそんなリラックスをしていると思いますが、
私にとってのとっておきの1つは、「ビジネス書でない本を読むこと」。

子供の習い事の送迎の間、普段は教室の前でスマホをいじってSNS巡りに費やすことが多いのですが(←)、
先日ふと思い立って、子供を送ったその足で図書館に向かいました。

習い事が終わるまでの猶予は移動時間も加味すると40分ほど。
何か心おどるような本はないだろうかと本棚を眺めて、手に取ったのがこちらの本です。

『イギリスお菓子百科』 安田真理子 著

残念ながら今は販売されているのはKindleのみのようですが、とてもいい本でした。

手に取ったきっかけはささやかなもので、表紙の絵が可愛いことと、
子供の頃イギリスに住んでいたとき、調理実習で作ったお菓子がおいしかったのを思い出した、というものです。
(イギリスは全体的に食事が今ひとつですが、ティータイムは素敵な時間だと思っています)

図書館の閲覧室に座って本を開いてみると、
扉絵には日当たりの良いガーデンで、ヘタのついたままのイチゴの山盛りボウルを、紅茶とスコーンと一緒にテーブルにのせた素敵な写真。

スコーンにつけるクロテッドクリームって、とっても幸せな気持ちになりますよね。
この時点で胸がキュンとわしづかみにされながら読み進めました。

レシピ本ではない面白さ

お菓子百科、ということで、お菓子のレシピが載っている本なのかと思っていましたが、レシピはごく一部のみで、むしろイギリスの伝統お菓子にまつわる背景や歴史の物語の本でした。

著者の方の実際のエピソードも交えて書かれていて、生き生きとしていてすごく面白い。
エリザベス1世とか、ヴィクトリア女王とかが好んだお菓子なんかも登場し、イギリスの文化が思い浮かびます。
子供にも読ませたいな。

カップケーキを切り取ってちょうちょのように盛り付けたバタフライケーキとか、ホタテ貝を型にして焼いた海辺の街のアバフローケーキとか、見た目にも可愛いのですが、そのお菓子の背景を知ることでもっと愛着がわくから不思議です。

イギリスならではのフルーツの名前をたくさん見かけられたのもよかったです。
レッドカラント(赤すぐり)、ブラックカラント、ブラックベリーなどなど。
私、子供の頃イギリスに住んでいたので、日本に帰ってきてからなかなか食べる機会のないフルーツが恋しくて・・・。

装丁も可愛い

本全体のデザインも可愛くてときめきます。
お菓子ごとに出会えるレア度が表されているのですが、それがジンジャークッキーのイラストで表現されていてとてもキュート。
扉絵の写真も、レースの形で切り取られてたり。

ページ番号もスプーンのイラストの上に書かれていて、おいしそうと可愛いを盛り立てていて、本の内容を引き立てる素晴らしいデザインだなと思いました。

人々の暮らしや思いが想像できるような本が好き

普段ドタバタと忙しく生活しているので、ビジネス書でない本を読む機会は意識しないとなかなか作れないのですが、これは読んでよかった!

ハウツー物やレシピ本も読みますが、この本のように、人々の暮らしや思いが想像できる文章、写真、とても心が豊かになりました。
本を読んでときめくこと=自分の好きなこと だと思うので、忙しい毎日の中で忘れがちな「自分の好きなこと」、ちゃんと大切にしたいな、と気付かされました。


イギリスに引っ越した時の気持ちを書いた記事はこちら。


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