懐かしい味
先日、成城へ一緒に行った友人は、専業主婦で毎日お料理を家族のためにつくっている。さらに趣味はパンを焼くことなので、ときどき焼きたてのパンをもらうこともある。実山椒についても、私より先に佃煮などをつくっていたので、私が実山椒について話をすると、展開がスムーズだった。
実山椒は事前に枝を取るなどの処理が大変だったので、もうつくる気はないようだが。それでもいろいろなものにかけると美味しいとか、情報をもらった。中でもへぇ〜と思ったのが、卵かけごはんにかけることだった。実山椒の塩漬けとか、醤油漬けを卵かけごはんに??どんな味がするんだろう。
そう思いつつも先日、実山椒は下茹でして冷凍庫に入れてしまったので、まだそれ以降のプロセスは手を付けていない。だが急に私の中にクローズアップされたものがある。それが卵かけごはん。そういえば、子どもの頃、卵かけごはんは私の大好きなメニューのひとつだった。
熱々の炊きたてごはんに、割りほぐした卵にお醤油を少し垂らしたものをかける。その前に茶碗に入れたごはんには、卵が溢れないようにお箸で穴を開ける。そして黄身と白身が半分くらい混ざった卵液は、ごはんの中に吸い込まれていく。ごはんの熱で、卵は少しだけ火が通ったような状態になる。それから、ごはんをお箸でかき込むのだ。
それは子どもにとっても至福の時間だった。本当に心から幸せだと思えた。あ〜あの幸せをもう一度、味わいたい。美味しかったな〜と思ったら居ても立ってもいられなくなり、今日のお昼にごはんを炊いた。卵は昨日、生協から届いた平飼い卵。HAPPYな組み合わせ。
おかずは適当に揃えて、卵かけごはんをじっくり味わった。ただただ美味しかった。そして懐かしかった。幼い頃の時間が蘇ってきた。今度は、山椒の醤油漬けを少しだけ加えてみよう。ちょっと大人の味になるだろう。
いざいざ卵かけごはん。おかずも野菜も適当に。だって主役は卵かけごはんだから。こういう人生の幸せな時間を、これからも大事にしたい。