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〈Jyotish〉アクシャヤ・ナヴァミの祝祭 - 黄金時代の始まりサティヤ・ユガ-

アクシャヤ・ナヴァミー(Akshaya Navami)は、ヒンドゥー教の暦における特別な日で、特にドゥルガー女神やヴィシュヌ神に関連する祝祭です。

この日は、カルティック月(Kartik)のシュクラ・パクシャの9日目にあたります。

「アクシャヤ」とはサンスクリット語で「無尽蔵」や「永遠」を意味し、「ナヴァミー」は「9日目」という意味です。

アクシャヤ・ナヴァミーは、繁栄と永続的な幸福を祈るための特別な日とされています。

2024年のアクシャヤ・ナヴァミーは、11月10日にあたります。
この日は、特別なプージャー(祈り)や儀式が行われ、多くの人々が神聖な行いを通じて繁栄と幸福を祈ります。

今回は、そんなアクシャヤ・ナヴァミーについてお話していきます。

神話と伝承

アクシャヤ・ナヴァミーにはいくつかの神話や伝承があります。

1. サティヤ・ユガの始まり

アクシャヤ・ナヴァミーは、サティヤ・ユガ(真実の時代、最初のユガ)が始まった日とされています。
この日は、宇宙の創造や人類の誕生に関する重要な出来事が起こったと信じられています。

2. アクシャヤ・パトラ

「マハーバーラタ」の中でアクシャヤ・ナヴァミーの日にパンダヴァ兄弟が「アクシャヤ・パトラ」を手に入れたとされています。
アクシャヤ・パトラとは、食べ物が無尽蔵に出てくる魔法の器で、彼らが亡命中に使用しました。

3. トゥルシー・ヴィヴァー

この日は「トゥルシー・ヴィヴァー」とも関連しています。
トゥルシー(バジルの一種)はヴィシュヌ神の化身であり、この日にはトゥルシーとシャーラグラム(ヴィシュヌ神の象徴)の結婚儀式が行われます。これは、神聖な結婚を象徴し、家庭の繁栄を祈る儀式とされています。

ホーリーバジルは、ヴィシュヌ神の化身なのですね!アーユルヴェーダとかでもホーリーバジルティーなどよく飲みますよね!

神話との間に親近感がわきますね。

ここで今回は更に黄金時代といわれたサティヤ・ユガについてもっと詳しく掘り下げていきたい思います。

前回カリ・ユガの話をさせていただきました。
カリ・ユガが最終の時代とするなら、サティヤ・ユガは、最初の時代になります。

サティヤ・ユガ(Satya Yuga)

ヒンドゥー教の宇宙観に基づく四つの時代(ユガ)の中で最初の時代であり、「真実の時代」または「黄金時代」とも呼ばれています。

この時代は最も長く、4800神年(人間の年に換算すると約1,728,000年)続くとされています。

サティヤ・ユガは、完全な道徳性と精神的な純粋さが支配する時代として描かれています。

サティヤユガの特徴

1. 道徳的完璧さ
サティヤ・ユガでは、人々は全ての道徳的価値を完全に具現化し、真実、誠実、慈悲、寛大さが社会全体に広がっていました。
欺瞞、嘘、暴力、不正行為などは存在せず、人々は自然に正しい行いを行っていました。

2. 精神的な純粋さ
人々は常に瞑想し、神との結びつきを深めていました。精神的な追求が生活の中心であり、物質的な欲望はほとんどありませんでした。
瞑想や祈りを通じて、個々の魂は神と直接的な結びつきを持つことができました。

3. 自然との調和
自然環境も非常に豊かで、地球は繁栄し、気候は穏やかで安定していました。食物は豊富で、自然災害もほとんど起こらなかったとされています。
動物や植物も人間と調和して共存し、全ての生命が互いに尊重されていました。

4. 寿命と健康
サティヤ・ユガに生きる人々は非常に長寿で、健康も非常に良好でした。
病気や老化はほとんどなく、死も自然に訪れるものでした。人々は自分の寿命を知っており、自然な死を迎えるまで精神的な修練を続けました。

5. リシと神々の存在
多くのリシ(聖者)やマハリシ(偉大な聖者)が存在し、彼らは人々を導くための知識や智慧を持っていました。
神々も頻繁に地球に降臨し、人々と直接交流することができました。

サティヤ・ユガは、他のユガ(トレータ・ユガ、ドヴァーパラ・ユガ、カリ・ユガ)と比較して、最も理想的で純粋な時代として描かれています。

この時代が終わると、次第に道徳的価値が減少し、物質的な欲望や不正行為が増加する他のユガに移行していくとされています。

サティヤ・ユガの神話

ヒンドゥー教の神話によれば、サティヤ・ユガはヴィシュヌ神が多くのアバター(化身)として現れる時代でもあります。

この時代における有名なアバターとしては、以下のような例があります。

1. マツヤ(魚のアバター)

ヴィシュヌが大洪水から聖典と人類を救うために魚の姿を取ったとされる話があります。

マツヤの神話

サティヤ・ユガにおいて、悪神(アスラ)たちが力を増し、世界に混乱をもたらしました。また、プリスニ(地球の母)が重荷に耐えかねてヴィシュヌ神に助けを求めました。ヴィシュヌ神は世界を浄化し、新たな秩序をもたらすために、マツヤの形で現れることを決意しました。

ある日、聖者サティヤヴラタ(またはマヌ)は川で儀式を行っていました。その時、彼の手に小さな魚が現れました。サティヤヴラタはその魚を川に戻しましたが、魚は再び彼の手に戻ってきました。彼はその魚を家に持ち帰り、壺の中に入れました。しかし、魚は急速に成長し、壺に収まりきらなくなりました。次に彼は魚を池に移しましたが、それでも魚は成長し続け、最終的には海に放さなければならなくなりました。

その後、魚はサティヤヴラタに語りかけ、自分がヴィシュヌ神の化身であることを明かしました。そして、近いうちに大洪水が起こり、全てを飲み込むことを予告しました。ヴィシュヌ神はサティヤヴラタに、洪水が来る前に大きな船を建造し、家族や七聖人(サプタリシ)、そして種子や動物を船に乗せるように指示しました。
やがて大洪水が発生し、全ての大地が水に覆われました。サティヤヴラタはヴィシュヌ神の指示通りに船を建造し、必要なものを全て乗せました。マツヤは巨大な魚の姿で現れ、船の先頭に結びつけられたロープを引っ張って安全な場所へと導きました。

洪水が収まり、新たな世界が始まると、マツヤはサティヤヴラタと他の生存者に新しい秩序を確立するように教えました。

2. クリシュナの先祖

一部の伝説では、クリシュナの前身となる人物がサティヤ・ユガに現れたとされています。

クリシュナ神の家系の祖である「ヤドゥ」に関する物語です。ヤドゥは、クリシュナ神が生まれるヤドゥ族(ヤダヴァ族)の始祖とされています。

ヤドゥの神話

ヤドゥは、月の王朝(チャンドラ・ヴァムシャ)に属する王であり、チャンドラ(月神)の子孫とされています。ヤドゥの父は、月の王朝の著名な王であるヤイティ(ヤヤティ)王です。


ヤイティ王は、非常に強力で正義感の強い王として知られていますが、あるとき、彼は欲望に負けて神々の怒りを買い、老化の呪いをかけられました。

ヤイティは、若さを取り戻すために息子たちに自分の老化を引き受けるよう頼みましたが、ヤドゥはこれを拒否しました。

ヤドゥは、父の要求を拒否したために王位継承から外されましたが、彼自身の家系を築き上げました。

ヤドゥは勇敢で賢明な王として、自らの王国を繁栄させました。このため、彼の子孫たちは「ヤダヴァ族」と呼ばれ、特に強力で影響力のある一族となりました。

ヤダヴァ族は、後にドゥワーパラ・ユガにおいてクリシュナ神の出現によりさらに有名になりました。

3. クールマ(Kurma)

亀の形をしたアバターで、神々とアスラがアムリタ(不死のネクター)を得るために行った乳海攪拌を支えました。

乳海攪拌のお話はコチラをご覧ください!
サムドラ・マンタナの伝説


これらのアバターは、サティヤ・ユガにおいてヴィシュヌ神が世の中を救うために現れたとされています。

サティヤ・ユガの終焉

サティヤ・ユガの終わりには、徐々に人々の道徳性が低下し始め、次の時代であるトレタ・ユガに移行します。

トレタ・ユガでは、徳の割合が25%減り、神々との距離も広がります。

この繰り返しにより、最終的にはカリ・ユガ(暗黒時代)に至り、再びサティヤ・ユガが始まるとされています。

現代との関連

現代はカリ・ユガにあるとされ、多くのヒンドゥー教徒はこの時代が終わり、再びサティヤ・ユガが訪れる日を待ち望んでいます。

そのための霊的な準備や修行が奨励されています。
以上がサティヤ・ユガに関する神話と特徴の詳細です。

今まさに、自然回帰や縄文などのキーワードもこれに近しいことなのではないでしょうか。

まさにカリ・ユガ真っ只中。

カリユガについてはコチラをご覧ください!

関連アーサナのご紹介

ヴィシュヌ神のポーズ

マツヤーサナ

魚のポーズ


クールマーサナ

亀のポーズ

クリシュナ神のポーズ

ナットヴァラーサナ

クリシュナ神の笛を吹くポーズ


いかがでしたか?
ヨガは神様にちなんだポーズもたくさんあります。

ヨガをする時にこんな神話を思い出してみるのもいいかもしれませんね!

カリ・ユガから早く抜け出し、サティヤ・ユガの黄金時代に向かいたいものですね。

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cococaru(インドヨガ&Jyotish)🪷心と体のクリアリング
良い活動をしていけるように頑張ります٩( 'ω' )و

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