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〈 YOGA 〉バカヴァッドギータから紐解くヨガの種類

ヨガって色々な流派・種類がありますよね!
哲学で言えば6学派ありますし、他にも陰ヨガ、ハタヨガ、アイアンガーヨガのような流派もあります。
また、パワーヨガ、リラックスヨガ、◯◯解消ヨガのような内容による種類もありますね。

その中で今回は、バカヴァッドギータが提唱しているヨガの種類について書いていこうと思います。

ヨガを行う目的

目的に向かって進んでいくことがヨガであり、ブラフマンであること、苦しみからの解放。

バカヴァッドギータの中で、ヨーガの道について頂上に向かう道はいくつもあるとし、ヨーガの頂きへの登り方はいろいろあることを教えてくれています。

ヨーガの種類

ギャーナヨーガ(知識のヨガ)

ギャーナ=知識のヨガといういみて、真理について勉強をする、哲学を深めるヨガです。

バカヴァッドギータの中では、知識を得ることと実践をすることしています。

瞑想をする為にただ座ればいいわけではなく、目的を間違ってアーサナを取ることでもありません。
実践する上できちんと目的を理解していないと、人と比較してしまったりしてしまい、方向性を間違えてしまいます。

また、哲学を学んでいても実践をしていなければ、ただ言葉の上でそれを知っているだけで意味がないものになってしまいます。

知識と叡智と実践を通じて解脱を得る道のことです。
簡単にいうと哲学の勉強と実践を通じて、モクシャの道を行くことです。

なので実践と哲学が合わさった中で行なっていくのが、ギャーナヨーガです。

バガヴァッドギーターでは、自己認識と真理の探求が強調されます。

このヨーガの実践者は、自己が肉体や心とは異なる永遠の存在であることを理解しようとします。
ギャーナヨーガにおいては、以下の点が重要です

  • ヴィヴェーカ(識別力)
    永遠と一時的なものを識別する力。

  • ヴィラーガ(無執着)
    世俗的な欲望や執着からの解放。

  • シュラヴァナ、マナナ、ニディディヤーサナ
    聖典の教えを聞き(シュラヴァナ)、それについて熟慮し(マナナ)、深く瞑想する(ニディディヤーサナ)。

参考:
第4章 ギャーナ・カルマ・サンニャサ・ヨーガ
第7章 ギャーナ・ヴィギャーナ・ヨーガ


カルマヨーガ(行動のヨガ)

カルマヨーガ=日常生活のすべての行動をヨガとして実践することといわれ、より人生に活かしやすいヨガです。

カルマ=行為
スピリチュアルに詳しい方ですと、運命や過去世からの宿題と思われることもあります。

ここでは行為(私たちの行為)=原因と結果がセットであるということです。

インドで一般的には、師匠から与えられるダルマ=義務や職務を行うことがカルマヨーガです。

そのため、ただいいことを行うことがカルマヨーガということではありませ。何を行うかではなく、どんな心でおこなうかが大切であると言われています。

無私の行為を通じて解脱を得る道です。
ギーターでは、行為そのものを放棄せずに結果への執着を捨てることが強調されます。
重要な概念としては、以下が挙げられます

  • 無執着(アサング)
    行為の結果に対する執着を持たず、義務を果たすこと。

  • 奉仕(セヴァ)
    他者への奉仕を通じて自己を忘れ、利他的な行動を行うこと。

参考:2章47節、第3章 第3節など

ラージャヨーガ(瞑想のヨガ)

精神と心の制御を通じて内なる平和と悟りを追求するヨーガで、心を制御し瞑想を通じて自己実現を目指す道です。

瞑想の最終的な目標としての「サマーディ」(深い瞑想状態)は、個人の自己(アートマン)が宇宙の真理(ブラフマン)と一体となり、無上の幸福と平和を享受できるとしています。

  • 適度な生活習慣
    瞑想と心の平和に支障が出るため、過度な食事や睡眠、過労や怠惰を避け、均衡を保つことの重要だとしています。

参考:第6章「アートマサンヤマヨーガ」

アビヤーサヨーガ(反復練習)

繰り返しの練習や努力を通じて精神的な成長を遂げる道です。
神様に心を向けることで、常に神聖な存在に心を留めることで、神聖な存在に近づけるヨーガです。

  • 繰り返しの努力
    精神的な目標を達成するためには、継続的な努力が必要です。これは瞑想や祈り、ヨーガの練習などを通じて行われます。

  • 結果の放棄
    最終的には、行動の結果に執着せずに、それを神に捧げることが重要です。これにより、心の平安が得られます。

  • 無私の奉仕
    地域社会でのボランティア活動や他者への助けを無私の心で行うことで、心の浄化が進みます。これにより、エゴが減少し、神への献身が深まります。

  • 祈りと礼拝
    定期的に神への祈りや礼拝を行うことで、心が神に向かい、精神的な成長が促進されます。

参考:第12章の9節から12節

ブッディヨーガ

知性(ブッディ)を活用して自己の行動を導くヨーガの道です。

理性的な判断と自己認識を通じて、自己の行動を神聖な目的に向けて調整することを強調しています。これにより、個人は無知や欲望から解放され、真なる知識と悟りの境地に至ることができます。

  • 知性の活用
    ブッディヨーガは、知性(ブッディ)を活用して、自己認識や真理の理解を深めることを重視します。感情や感覚に流されず、理性的な判断を行うことが求められます。

  • 自己認識
    自分自身の本質を理解し、アートマン(真我)とブラフマン(宇宙の真理)の一致を認識することが目的です。

  • カルマの理解
    行動(カルマ)を知性的に理解し、執着を持たずに行うことが大切です。これはカルマヨーガ(行為のヨーガ)と共通する点でもあります。

  • 瞑想と内省
    瞑想や内省を通じて心を静め、知性を研ぎ澄ませることも重要です。
    これにより、真理を直観的に理解する力が養われます。

知性的な洞察力を持ち真理を理解することで、執着や迷いを超越することができるとされています。

参考:第2章47節、 第2章50節など

サンニャーサ・ヨーガ

完全に行動の結果に執着することなく、行動すること。執着せず手放すことです。
文字通りには「放棄のヨーガ」を意味し、物質的な執着を捨てて精神的な解放を目指す道です。

物質的な欲望や世俗的な義務からの解放を意味します。これは単に物質的な所有物を捨てるという意味ではなく、欲望や執着から心を解放することを指します。
また行為自体は放棄しないが、その結果に対する執着を捨てることが重要です。これは「ニシュカーマ・カルマ」とも呼ばれ、無私の行動を推奨しています。
自己の真の本質を理解し、最高の神(クリシュナ)への完全な帰依を目指します。

  • 瞑想と内省
    瞑想を通じて自己を見つめ直し、物質的な欲望や執着を識別し、それを手放す努力をします。

  • 奉仕活動
    無私の奉仕活動(セヴァ)を通じて、他者への利他心を育むとともに、自己のエゴや執着を減少させます。

  • 精神的な教えの学び
    聖典や師からの教えを通じて、自己の真の本質や宇宙の真理を理解し、心の平安を得ることを目指します。

サンニャーサ・ヨーガは、ただ物質的なものを捨てるだけでなく、心と精神の深い変革を通じて、真の自由と幸福を追求する道です。バガヴァッド・ギーターの教えを通じて、その実践と理解が深まることでしょう。

参考:第18章「モークシャ・サンニャーサ・ヨーガ」

バクティヨーガ(親愛のヨガ)

これは自分のための行動ではなく、神様のために行なっている行動であるものとして行うことです。

「献身のヨーガ」であり、神への愛と献身を通じて解脱を目指します。

神に対する深い愛情と信仰を持ち、祈りや儀式、賛美歌などを通じて神と一体になることが目指されます。クリシュナへの献身が特に強調されます。

  • 献身が最も優れた道
    クリシュナは、知識(ジュニャーナ・ヨーガ)や行動(カルマ・ヨーガ)も重要であるが、神への献身(バクティ・ヨーガ)が最も簡単で、効果的であると述べています。

  • 純粋な愛と献身
    神に対する純粋な愛と献身心を持つことが重要です。これには、神を心に留め、祈り、神の御名を唱えることが含まれます。

  • 自己犠牲と奉仕
    自己の利益を捨て、無私の心で神や他人に奉仕することが求められます。これにより、エゴを克服し、神との一体感を感じることができます。

バクティ・ヨーガは、心の純粋さと無私の奉仕を通じて、神との深い関係を築く方法です。この道を歩むことで、個人は自己の限界を超え、神の無限の愛と知恵に触れることができます。バガヴァッド・ギーターの教えによれば、バクティ・ヨーガを実践することで、個人は平和と至福の状態に達し、最終的には解脱(モクシャ)を得ることができるとされています。

参考:第12章「バクティ・ヨーガ」


いかがでしたか?
ヨーガの頂きを目指す道はいろいろあります。
自分の目指しやすい目指し方で、モクシャに辿り着きたいものですね!

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cococaru(インドヨガ&Jyotish)🪷心と体のクリアリング
良い活動をしていけるように頑張ります٩( 'ω' )و

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