〈Jyotish〉アシュウィニ月の満月 - シャラド・プルニマ -

アシュウィニ月のプルニマ（満月の日）は、特にヒンドゥー教の神話において、クリシュナ神と彼の愛するラーダ、そしてゴーピーたち（牛飼いの女性たち）との間で行われたラーサダンス（Rasa Lila）の物語に関連しています。

この日は「シャラド・プルニマ」とも呼ばれ、特に北インドやベンガル地方で大いに祝われます。

一年で一度だけ、本当に崇高で輝かしい十六の光線が月から注がれる満月の夜。

そして、繁栄の女神、ラクシュミも降臨します。

クリシュナとラーサダンスの伝説

背　景
クリシュナは、ヒンドゥー教の「ヴィシュヌ神の化身」として崇拝される神であり、多くの神話や物語に登場します。

彼の幼少期はヴリンダーヴァンという村で過ごされ、そこでラーダや多くのゴーピーたちと深い絆を築きました。

ラーサダンスの夜

アシュウィニ月のプルニマの夜、ヴリンダーヴァンの森は特別な雰囲気に包まれていました。この夜は、月が最も明るく輝くとされ、神秘的な力が満ちていると信じられています。

クリシュナはその美しい満月の夜に、彼を愛するゴーピー（牛飼いの娘）たちを呼び寄せました。

ゴーピーたちは彼のフルートの音色に魅了され、家族の元を離れ、クリシュナと共に踊るために集まりました。

妖艶なラーサダンス
ラーサダンスは単なる踊りではなく、クリシュナとゴーピーたちの間の深い愛と献身を象徴しています。

クリシュナは彼の神秘的な力を使い、ゴーピーたち一人一人と同時に踊ることができました。

つまり、クリシュナは自分自身を無数に分身させ、全てのゴーピーたちに特別な経験を与えました。これにより、ゴーピーたちは自身がクリシュナの心の中で特別な存在であると感じることができました。

精神的な意味
ラーサダンスは、神と信者の間の無条件の愛と献身を象徴しています。ゴーピーたちのクリシュナへの愛は純粋で無私のものであり、彼との一体感を求めるものでした。

クリシュナの側も、その愛に応え、信者たちとの一体感を示しました。この神話は、神と人間の間の深い精神的なつながりを象徴しています。

シャラド・プルニマの慣習

この日、ヒンドゥー教徒たちは特別な祈りや儀式を行い、クリシュナとラーダへの愛と献身を示します。また、特別な食事やお菓子が用意され、家族や友人と共に祝います。

シャラド・プルニマの特別な夜は、神秘的で祝福に満ちた時間として、多くの人々によって大切にされています。

この伝説とそれに関連する祭りは、ヒンドゥー教徒にとって深い精神的な意義を持ち、クリシュナとラーダの神聖な愛の物語を通じて、人々の心に永遠の愛と献身の教えを伝えています。

もう少し、ラーサダンスに詳しく説明していきましょう。

ラーサダンス（Rasa dance）とは？

ラーサダンスって何なのかというと、個我と真我、アートマとパラマアートマの融合に繋がります。

起源と神話

ラーサダンスの起源は、ヒンドゥー教の聖典『バガヴァタ・プラーナ』に記述されています。

この物語によれば、クリシュナは夜に森で笛を吹き、その音色に引き寄せられたゴーピーたちが集まり、一緒に踊るという場面が描かれています。

ゴーピーたちは月の光を浴びながら妖艶なクリシュナに酔いしれ、毎夜一晩中楽しんだというのが、このアシュウニ月の満月であります。

クリシュナは一人一人のゴーピーと同時に踊ることができる超越的な存在として描かれており、この舞踊は神と人間の間の神聖な愛の象徴とされています。

またクリシュナと踊るゴーピーたちは、実は悟りを開いた魂だった神々なのです。

最後に地球に生ま変わり、神でありながらもう一度バカバーンと一緒に過し解脱することで、神と永遠をともにする特権を得るために牛飼いの女性としてこの地球に降りたった存在なのです。

クリスシュナと束の間の時を過ごしに来るのですが、そのうちにクリシュナはこの地を後にしてしまいます。

今、この時がゴーピーたちの人生の中の最高潮となります。

クリシュナとゴーピーの間の舞踊は、神と信者の間の無条件の愛と献身を象徴しています。

いかがでしたか？

ゴーピーたちというのは、一度モクシャに至った者たちですが神様との融合を前にクリシュナと共に踊り明かし最後のモクシャにを成し遂げるために最後に地球に降りてくるそうです。

モクシャに至った先、神との融合を迎える最後の旅に到着したいものですね。

＊TOP画像は、Mystical Light のYouTubeよりお借りしました。
ラーサダンスをさらに詳しく知りたい方は、Mystical Light のYouTubeをご覧ください！