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保育士試験VS保育士養成校!2025年、変わる人材確保の解決策
保育士不足が続く中、保育士試験と保育士養成校の動向を改めて整理します。2025年、これらが保育人材確保にどう影響するのか、またその解決策についてデータを交えて解説します。
保育士試験の概要
保育士試験は、年に2回実施される国家資格試験で、筆記試験と実技試験から構成されています。筆記試験では全9科目を受験し、各科目ごとに合格基準が設けられており、それぞれの科目で60%以上の得点が必要です。実技試験では、2つ分野を選択し、現場で最低限必要な技能が問われます。
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【保育士育成の現状】保育士試験と保育士養成校
▼保育士養成校の学生数
指定保育士養成施設の卒業者数は大幅な減少傾向にあります。2018年度では資格取得者数は39,909人でしたが、近年では毎年平均7%ずつ入学者が減少しています。特に地方の保育士養成校では、学生の減少によるドミノ閉校が起こるなど深刻な影響を及ぼしており、地域の保育士育成体制を危機的状況に追い込んでいます。
▼保育士試験の合格者数
一方で、保育士試験の合格者数は増加傾向にあります。2024年には19,483人が試験に合格しました。この傾向が続けば、2028年ごろには試験合格者数が養成校の卒業者数を上回ると予測されています。これにより、保育士試験の役割がますます重要になると考えられます。
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地域限定保育士試験の2つの課題
地域限定保育士試験は、特定地域における保育士不足を解消するために導入された仕組みで、昨年度は、神奈川県、大阪府、沖縄県で実施されました。この試験では、合格後に3年間その地域内で勤務ができ、3年後には全国での就業が可能となります。
2025年度からは全国的な導入が進むと予想されます。保育士試験の認知度を上げることで、保育士が増えることを期待されますが課題も残されています。
課題① 試験合格者の就労率の低さ
大阪府における地域限定保育士試験の調査では、合格者のうち約51.9%が保育所等で就業している一方、残りの約半数が就業に至らない状況が報告されています。
課題② 1次試験の難易度
地域限定保育士試験は、実技試験にかわり講習形式が採用されています。合格者を増やすことが目的ですが、合格率が低いのは、主に一次試験の難易度が高いためであって、多くの受験者がここで足切りされる現状があります。合格率向上には、1次試験のサポートが必要なのです。
保育士試験が難関試験のわけ
合格率の推移
令和に入ってからの保育士試験の平均合格率は約25%で推移しています。
税理士試験の1次試験合格率(約20%)と比較すると、保育士試験も決して簡単ではない試験と言えます。
しかし、保育士の資格取得支援スクールを10年以上に運営してきた経験からすると、合格率の低さの原因は、試験の難易度そのものが原因というよりも、以下の3つの要因によるものです。
勉強時間の不足
科目数が多いため一定の学習時間が必要ですが、社会人や主婦の受験者が多く、学習時間の確保が難しいことが課題です。
苦手科目の存在
特定の科目で得点が伸び悩むケースが多く、苦手科目にほぼ手が付けられていない受験者も見受けられます。
学習の継続が難しい
通信教育やオンデマンド講座の普及が進む一方で、自己管理が難しく、学習を続けられない受験者も多くいます。
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2025年からの人材確保に向けた解決策
①資格取得支援制度の導入
今後、保育士試験を活用した人材育成の活用が人材不足解消のカギを握りますが、就労率の低さと合格率の低さがボトルネックとなります。
この2つを同時に解消するのが、私たちが勧めてきた「資格取得支援制度」の導入です。これは先ほど挙げた勉強時間の不足・苦手科目の存在・学習の継続が難しいという3つの課題も解決できます。
さらに、自治体連携型の資格取得支援制度では、保育人材の育成が地域で仕組化されるため、大幅な人材不足の解消が見込めます。
②保育士養成校の学生確保
保育士養成校が自治体にある地域が取り組むべき策として、「産学官連携型の職業体験」です。地域のエッセンシャル人材を育成する高等教育機関、特に大学、短大を存続させなければ、人材流出は加速します。
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保育士試験と養成校の未来
2025年以降、保育士試験の役割はさらに重要になります。養成校の卒業者数が減少する中で、試験制度を活用した人材確保の重要性は増す一方です。
地域での保育人材確保を安定させるためには、保育士養成校との連携や資格取得支援制度を自治体と協力して進めることが重要です。
資格取得支援制度の導入に関心のある保育経営者や自治体関係者の皆様、ぜひご連絡ください。一緒に地域の子育て支援を支えましょう。
資格取得支援制度を導入したい保育経営者
資格取得支援制度を導入したい自治体職員の方
資格取得支援制度を自治体に提案したい議員の方
03-5468-8333(キャリアフィールド株式会社)
平日9:00~18:00
「資格取得支援」について詳しく知りたいとお伝えください。
追記:政策勉強会を開催しました
先日、政策勉強会を開催し、全国から60名以上の議員の方々にご参加いただきました。この勉強会を通じて、改めて保育士不足が全国的に深刻な課題となっていることを痛感しました。
多くの保育事業者が人材紹介会社による高額な手数料に苦しめられている実態も浮き彫りとなりました。これら問題に対して、行政と民間の連携による新たな人材確保の仕組みを検討する必要があると考えます。