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おいらボーイ🐶 chapter 3.

やぁ、また会ったね。

最近は寒くなって朝の散歩も足が冷えるんだ。
だけど、元気いっぱいだよ。おいらも創も。

この1週間は創の会社の様子をいろいろ聞いたり
おしゃべりなおいらは、言葉が話せるようになったから
楽しくって創に「うるさいな、おまえ少し黙ってろよ」って
言われるんだ。失礼だろ?アドバイスしてやってるのに。

お隣のたなかさんって、おばあちゃんが
ひとりで住んでいる家があるんだ。
朝の散歩で顔を見るのが、おいらは楽しみなんだけど
優しい笑顔のおばあちゃんでさ、おいらの頭を撫でながら
創にいろいろ話かけてくるんだ。お孫さんが可愛くて自慢で
創とそんなに年が違わないから、創をお孫さんのように
気づかってくれるんだ。

創もいろいろ聞かれても嬉しそうに話してるよ。
歩いている時に創が自分のおばあちゃんの事とか
話してくれるんだけどさ、もう居なくなっちゃって
たなかさんのおばあちゃんを見ると想い出すらしいよ。

小さい頃にお菓子をいっぱい買ってもらったとか、
食う事しか思い出は無いのかよ。
「朝、顔を見ないと寂しいよな」って創は言いながら
「いつまでも元気に居て欲しい」って言う。
おいらも同じ思いだからさ、
「大丈夫だよ。おばあちゃんは元気そうだから」って
気休めにもならないバカな事をおいらは言ってしまうんだ。

金曜日の朝だった。散歩に出る時間なのにおばあちゃんの
姿が無かったんだ。庭のお花たちにお水をあげた後も無くて
少し心配になって創に「今日はまだ、起きてないのかな?」
って聞いてみたんだ。創も心配そうに玄関を見ていたんだ。
「声かけてみる?」っておいらが不安そうに言うもんだから
創は真剣な顔で考えてる。
創が勇気を出して、門柱のチャイムを押した。
門柱と、玄関横にチャイムがあるんだ。返事が無い。
創はあわてて門を開けて、次は玄関のチャイムを押す。
おいらはドキドキしながら様子を見ていた。
内心では(これは事件かも?)と思ってたんだ。

すると、突然ドアが開いておばあちゃんが顔を出した。
心配そうにのぞき込んでいた創と鉢合わせ。
おばあちゃんは悲鳴を上げて後ろに逃げたんだ。
創は「たなかさん、大丈夫ですか?」って聞いた。
おばあちゃんは立ち上がりながら「ビックリしちゃったわ」
と胸を撫でおろしていたよ。

おばあちゃんは最近、耳が聞こえにくくなって
チャイムに気が付かなかったらしいよ。
元気そうなおばあちゃんを見て創とおいらはホッとした。

「ボーイくん、おはようさん」といつも通りおいらの頭を
撫でてくれながら、「今朝はね、寝坊しちゃったの」って
笑顔で言うんだ。おいらはおばあちゃんの鼻の頭を
ペロリと舐めて「了解」って返事したさ。

散歩しながら創とおいらは「この町は平和で良かったね」と
穏やかな太陽に感謝しながら「ボーイ!競争するぞ!」って
公園まで競走したんだ。もちろん!おいらが勝ったさ。

また、来週会おうな!


…Continue


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