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ピノキオと嘘
ピノキオは、1883年にイタリアのカルロ・コッローディが
書いた児童文学作品ですね。
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今では世界中の人が知っている、嘘をつくと鼻が伸びる
木の人形が冒険する話だというのが一般的なイメージ。
ディズニーの映画の影響もあって、子供向けの作品と
思われがちだけど、原作は社会風刺の色が濃いのです。
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嘘をつくと鼻が伸びるというのは「ピノキオ効果」として
知られています。
これは、人が嘘をつくときに生じる生理的な変化や
行動のサインを示しているんですね。
嘘をつくと心拍数や血圧が上がったり、体温が上昇したり、発汗したりするらしいのです。
嘘発見器も、この原理を応用しているんですね。
嘘をつくと鼻を触るというのは心理学ではよく聞く話です。
心理学者のウィルソンたちは嘘を5つに分類しています。
・自己保護のための嘘
・自分を大きく見せるための嘘
・誰かを守るための嘘
・自分の利益のための嘘
・反社会的な嘘
これらは、それぞれ違った目的と影響があるそうです。
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「欺き」って言葉も嘘と似たような意味を持っていて、
これは人間だけではなく動物にも見られる行動なんですね。
意図的に誤った情報を流して、他者の行動をミスリードすることを指していて、知らないふりをする行動も
これに含まれるそうです。
発達心理学では、他者の心の状態を理解する「心の理論」がしっかりと成立していないと、人を欺くことはできないと
考えられているのです。
人間は誰も完全な心を持っていない。
善と悪の間で揺れ動く不確かな心しか持っていない。
そして、良心という「心の声」はとても小さくて
聞き取りにくい。
だから、この不完全な良心回路は、ピノキオが人間に近づくための心の弱さが書かれていると理解できる気がしますね。
世の中には「良い嘘」っていうものもあるのかもしれない。でも、それが本当に良い嘘なのか?悪い嘘なのか?は
判断が難しいですよね。誰かを守るための嘘だとしても、
その嘘が自分自身を傷つけたり、
他の人を欺いたり苦しめたりするなら、
良い嘘なのか、悪い嘘なのかの答えを出すのは難しいです。
人に話すことで、思い寄らぬ嘘をついてしまう事も
多々あるわけで一概に悪いとは思わないけれど、
それが人を傷付けることになるのは避けたいですね。
自分が予想外の立場に立たないように正直でいる事が
いっそう深い意味を持つのではないかと思うのです。
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