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オオカミがキケン
キラキラお目目の可愛いひつじ。
ある日町を歩いていると、「オオカミ キケン!」という
張り紙をみつけました。
町中のみんなが「こわいこわい」 「いやだいやだ」と
噂をしています。
でもひつじの子は、「ほんとかな~?」と思いました。
なぜなら、いつもお母さんに、
「うわさをしんじてはいけないよ」と
言われていたからです。
そこでひつじの子は、オオカミが本当にキケンなのかどうか、自分で調べることにしました。
この絵本は Kindleで見つけて
何気なく読んでみた絵本です。ひつじの子は可愛いです。
![](https://assets.st-note.com/img/1726128161-8e0YfmOGxs5C4JoZzrI7wMnt.jpg?width=1200)
病院の日は時々、kindleを利用するのですが
小説だと読み切れないのと続きが気になって
家に帰って続きを読む。になります。
絵本だし、読み切れるからいいと思って
読んでみましたが、内容が濃すぎて
夢中になってしまいました。
主人公のヒツジの子は、
日ごろ母親に「人を見た目で判断してはいけない」と
言われています。そこで村の人に常識?となっている
「オオカミってキケン?」について質問をするのですが、
それはそれは想像を超える嫌われぶりで、
最後には蚊に刺されたのや、鍋の底に穴が空くのも
オオカミのせいだと聞かされます。
![](https://assets.st-note.com/img/1726185592-z8GFfh59PnTEZetKOMdbpV3w.png?width=1200)
「人を見た目で判断してはいけない」というのは
その通りだと思うのですが、オオカミがうわさ通りの
「悪人」だったとして、その悪行が必然の選択であり、
生きるために必要なことだったとしたら?どうでしょう?
生きるということがもつ哀しさや、やりきれなさ、
きびしさ、親が子どもに抱く愛情の深さを
絵本の中で描き出しています。
たとえば、人生を順調に過ごしている時に、
誰かが自分の進路をふいにさえぎったために、
進行方向を変えたり、立ち止まったり、してしまうことが、
あると思います。どんな時でも起こり得ることです。
自分も、一生懸命であるときほど、周りが見えなくて
誰かの人生をさえぎって、じゃましている場合が
あるかもわかりません。
誰かがうまく行く時は、他の誰かが
うまくいかない時かもしれない。
不公平だと思う事も多くあります。
でも生きるってそういうことだから、
それを避けようとすることは、
自分の人生を誠実に生きることになりません。
![](https://assets.st-note.com/img/1726186273-jCEx0UMNd9YKt4T8fPengVRh.png?width=1200)
この絵本は誰かを犠牲にすることでしか生きられない者の
哀しさや誠実さを、愛情もって描き出しています。
悪というのは人の人生をさえぎることよりも、
むしろ誰かを悪と決めつける世の中に
無意識に同調することではないのでしょうか?
憎しみを抱いて誰かのじゃまをする訳ではないのに、
邪魔された側は、多数派形成をしてねたんだり
足を引っ張ったり悪しき事をしてしまう、
その憎悪こそが悪を働くよりもっと恐ろしい。
誰かを傷付けることで、強者になるのではなくて、
人を想う愛情から生まれる勇気が人を強くする。
言い換えれば、愛情豊かなお母さんを強くするのです。
お母さんの腕から血が流れる場面で受けた印象でした。
親が子を想う愛が、気恥ずかしい言葉を一切使うことなく、これほど深く描かれた作品は、ないと思います。
大人でも簡単に答えが出ない、
ものすごく重い内容を問いかけている絵本だと思いました。
最後にヒツジ”の子が
「みんなからママが嫌われても、ぼくだけは
いっぱいママのことを好きになる」というセリフが
深く重く考えさせられる絵本です。
ネタばれしないように書いたので解りにくいかな?
是非、読んでみてください。
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