おいらボーイ🐶　chapter 5.

寒いね。毎日寒くて震えてるおいらです。
元気でしたか？おいらは寒くても生きてるよ。
創もね、寒い寒いって言いながら元気だよ。

先週話してた、きょろきょろしていた男性の話をするね。

あの日は、創も帰りつくころには見かけなかったらしんだ。
おいらは家の中だから見えないよ。

たまたま、誰かの家を探してたのかな？って思った。
おいらは鼻がいいんだけど気のせいだったんだな。

夜は創が撮り貯めてあった見逃しドラマに付き合わされちゃってさ。おいらは半分以上は寝てたんだけど。

翌日の朝、創を起こして散歩にも行ったんだけど
男性は見かけなかったんだ。やっぱ気のせいだったな。
平和な毎日でおいらは昼寝も十分で満足だったさ。

次の日の朝、創といつも通りに散歩に行ったさ。
寒い朝だったけど走ってる間にポカポカして気持ちよかった。帰り道で出会ったんだ。あの男性と。
前に見た時とおなじようにキョロキョロして不審者だな。
創も驚いたような感じだった。おいらはすれ違いざまに
匂いを嗅いださ。しっかり記憶したんだ匂いを。
近くで見ると、まだ若そうな男性だったな。
夜じゃなくて朝だよ。何してんだろう？

家に帰って創に「あいつ、また居たよ。怪しいんじゃないの」て言ったら、創も同じ考えだったらしくて、
駅前の交番に念のため報告しておくよと
言いおいて会社にでかけた。
夜に帰って来た創が「他の人も交番に報告したらしくて、
巡回の回数を増やすって言ってた」なるほど、そうだよな。
今はなにが起こってもおかしくない。テレビでも物騒な事件が毎日くらい報道されてるんだ。

とりあえず様子見だな。おいらの脳にはばっちり匂いも記憶
しているから、何かあればおいらが捕まえてやる。
空き巣の下見ってやつかもわかんないしな。
気になるけど事件でも無いから仕方ないさ。

じゃ、また週末に会おうぜ。

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