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おいらボーイ🐶 chapter 6.

ハイ!元気だった?おいらは家の中にいると元気だ。
外に出るのは冬は止めた方がいいよ。
創は平気な顔して出かけるけど人間は寒くないのか?

何日かは暖かかったから、朝ん歩も楽しかったんだ。
だけど昨日からまた、気温が下がってきただろ?
嫌になるよ。寒いのは苦手だからな。

「雪やこんこん あられやこんこん」って歌があるだろ?
あの中でさ、「犬はよろこび にわかけまわる」
だったかな?んで「ネコは こたつでまるくなる」って歌詞
あれは嘘だよ。おいら寒くて震えるんだ。
創が笑いころげるくらいにさ、ガタガタ震えるんだ。

はやく春にならないかな。おいら花が咲いているのを見るのが好きなんだ。奇麗だよな、さくらとかひらひら舞い散って
おいらの鼻の頭にくっついたりしてさ。

さて、本題にはいろうかな。
気になってた例のおとこ。正体がわかったんだ。
あれからさ、匂いをしっかり覚えて散歩のときには
存在を確認するようにしてたんだ。見かけなかったんだけど
あやしい奴は見逃せないからさ、何かあれば捕まえてやろうと思って用心してたのさ。

同じ町内に、ともよさんっておねえさんが住んでるんだ。
おとといの夜だったかな、創はビデオを観るのに忙しくて
全然あいてをしてくれないから、たいくつしちゃって
窓枠に手をかけて空の様子を見ていたんだ。
ながく見ているとさ、足がつっぱって痛くなるから
そろそろソファーに戻ろうかと思った時だった。

前の道を人影が2人あるいていたんだ。
こんな夜にだれだ?と思って見ていると、
出たよ!あの男が。こいつ!と思って相手をよーく見ると
ともよさんじゃないか!あわてて創を呼んで
「創、見てみろよ。あいつだ」って
創が面倒そうに近づいて覗き込んだのさ。
「あれ?ともよちゃんじゃないか?一緒に居るのが?」
ちょうどマンションの前に来た時にライトで
顔がはっきり見えたんだ。

「あいつだろ?あやしいやつだよな」
「そうだな、なんでともよちゃんと歩いているんだ?」
ふたりでじぃーと様子を見ている おいらたちの方が
あやしい奴のようだ。

「近くをうろついていたから、あやしい奴だと思って
交番に話したじゃないか。悪い事しちゃったかな?」と
創は心配そうにつぶやいてた。
「うろついてたって事はじゅうぶんあやしいじゃないか」
おいらが言うと、
創は「こうして見ていると、彼氏なのかもな。そうだと
すれば、言いつけたなんてひどいじゃないか」
「そんな事わかんないんじゃないか?脅迫されてるとか?」
「おまえは考えすぎなんだよ!」と創はおいらの頭を
コツンと叩いてビデオを観る為にソファーに戻っちゃった。

この町は平和で おいらがおもうような事件はおこらない。
たいくつな町だな。おいらの活躍できる事件くらいあれば
ウキウキするのにさ。

と、いうわけで 今週もなにもない ただの1週間だった。
また、なにか起こればほうこくするよ。
あてにしないで待っててくれよ。 じゃ!


…Continue

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