![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/158534689/rectangle_large_type_2_3c0693e9facdc558d38c80f7945b7c7c.jpeg?width=1200)
小さなベンチ
むかしむかし、あるむらに
小さなこうえんが ありました
こうえんのなかには ちいさな かだんがあり
しきおりおりの きれいなはなが さいています。
こうえんの おくには 小さなベンチが ありました。
ふるい 木のベンチで やわらかい いろあいの
ぬくもりのある ふるくてもうつくしい ベンチです。
こうえんの よこには 小さなおうちが たっていました。
そのいえには おばあさんが ひとりでくらしています。
おばあさんは こうえんの はなをそだてたり
とりや りすたちを おせわしていました。
ある日、みちでたおれそうになった おんなの人と子どもが
こうえんの ベンチに すわって やすんでいました。
「おかあさん、だいじょうぶ?げんきになってわらってね」
「だいじょうぶよ、すこしやすんでいれば よくなるわ」
しばらくすわっていると おんなの人は きぶんがよくなり
おんなの子にほほえみかけながら おはなしをしています。
![](https://assets.st-note.com/img/1729391704-fe0tgvo6aubOLhWxywBm3qVK.jpg?width=1200)
じつは この小さなベンチは すわったひとたちを
しあわせなきもちにする ふしぎなベンチだったのです。
それは いつもだいじにせわをしてくれる
おばあさんへの ベンチの ささやかなおんがえしです。
すわったひとが えがおになると おばあさんも
ベンチもしあわせなきもちに なるのでした。
おばあさんは まどから そのようすをみていました
じぶんのことのように うれしそうにほほえみます。
![](https://assets.st-note.com/img/1729392168-r2sHceIkJLfAzlTgQwZ36uWa.jpg?width=1200)
まいにち 小さなこうえんでは いろいろなひとが
ベンチにすわって えがおでかえっていきます。
おこっている人も かなしくてつらい人も
なやんでいる人も ケンカをしているきょうだいも
かえるころには みんながえがおで てをつなぎ
しあわせそうなかおをして うれしそうにかえっていきます
![](https://assets.st-note.com/img/1729559578-gTJ57dMG4b3IKer1AOsXxnkW.jpg?width=1200)
やさしいおばあさんの みんながしあわせになるゆめを
ベンチも いっしょに ねがって いるからです。
ベンチは おばあさんの 小さなこうえんに
おかれていることを とてもしあわせだと おもうのです。
おしまい
いいなと思ったら応援しよう!
![☕心都(コト)@no+e ☕](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/152448487/profile_2a4df0359a28b3d9bee2f8d5ea0121a8.jpg?width=600&crop=1:1,smart)