読書日記:あの人はなぜ、東大卒に勝てるのか
本書では、「考えること」のシンプルな本質を「学ぶこと」と対比して述べています。
人を決定づけるほどの重みを持っていた学力は、思考力によって容易に乗り越えられる。
筆者はこれを知的下剋上と呼んでいます。(かっこいい...!)
以下、私が個人的にぐっときたポイントのまとめ
アイデアの戦場では「しまった」が9割
ライバルに負けた時は3つのパターンしか存在しない
①自分も発想していたが、競合の方が実行が早かった
②自分も発想し得たが、競合の方が発想が早かった
③自分にはまだ発想し得ないくらい、競合の発想が優れていた
①は実行面の敗北、②は惜敗、③は完敗。
回避するならば、②の1番くやしい敗北。これが「しまった」である。
「しまった」の敗北が起こるのは、発想を広げることを途中でやめているから。
発明王のトーマス・エジソンでさえ、3500冊のノートを書き潰したと言われている。天才ほど多作であり、自分の直感力に信頼をおかずに愚直に考え、発想の数をギリギリまで増やしている。
発想が広がらないのは「バカの壁」があるから
「壁」というのは、思考の対象になっている範囲と、なっていない範囲を隔てるもの、「バカ」というのはその壁が見えていない・意識されていないということを意味する。
発想が広がらずに競合に先を越され「しまった」と思う時、必ずそこには思考のモレを引き起こす「バカの壁」が存在している。
発想の質を高めるには「バカの壁」を意識化することが欠かせない。
「バカの壁」を意識化するにはフレームワーク思考
発想を広げるためには、「自分がいま、何について考えているか」を明確にすることが重要。「バカの壁」が入ってくるということは、「自分が考えている範囲が全てだ」と思い込んでいる状態にほかならない。
これがいわゆるフレームワーク思考の本質的な意味。
フレームワークをつくるということは、自分の思考を一定の範囲に限定しながら、その外部も同時に意識化することに等しい。
「世の中にはどんな自動車があるか、できるだけ広く考えなさい。」という問題を出されたとして、まずやるべきことは、思考の境界線を設定すること。
・トヨタ車かどうか (軸ーメーカー)
・200万円より高いかどうか (軸ー価格)
・1500cc以上か未満か (軸ー排気量)
・赤いか赤くないか (軸ー色)
・国産車か国外車か (軸ー生産国)
発想の質を決める3つの要素
①情報量
②加工率
③発想率
競合に勝つような発想をするには、情報量(知識量)が多いだけでは意味がない。3つを組み合わせてアイデアの種にすることが不可欠。
どれくらい幅広い発想ができるかどうかは、
①アイデアの素材がどれくらい頭の中にあるか(情報量)
②素材をどれくらい潜在的アイデアに加工できるか(加工率)
③潜在的なアイデアをどれくらい顕在化できているか(発想率)
これにより、知的下剋上が起こせる!
MECEに考える時の具体的ステップ
①ひとまず直感だけでアイデアを出す
②大きなかたまりからMECEに分解
③「下流」からもかんがえてみる
考えることは時間がかかるので、思いつく限り紙にアウトプットする。
MECEに分解する際の注意点は
・大きなかたまりから順にわけていく
・明解な境界線でわけていく
小さなかたまりを意識しすぎると、モレの範囲がおおきくなりかねない。
日常的な「しまった」は上流のモレにある。
自動車を「価格」でわけるのであれば、「200万円」という境界線で、MECEにわけることができる。
上流で分解できる軸が見つからない場合は下流から考える。上流へ遡ることを意識する。
情報収集においても「しまった」はある
「しまった」を引き起こさないためにも、情報収集には結論仮説が不可欠。
とりあえず情報収集というのは意味がない。情報収集というのは、答えを検証する・補強する材料。まずやるべきことは、質の高い結論仮説を考えること。
感想🌱
これを読んで「私はひらめきが弱いからなんにも思いつかないや〜」というアホみたいな言い訳が通用しなくなりました...。
一流と呼ばれるコピーライターやデザイナーたちは、論理的に考えて考えて考え抜いた上で成果を出しているんだなと。
もちろん、「夜景を見ながらチャリをこいでいたら良いアイデアが降ってきた」という、いわゆる本当の天才もいるだろうけど、私はそうではないので、考えに考え抜いて知的下剋上を起こせたらなと思います。