#20 母は無敵
母の重い気遣い
母は私の前では、楽しそうには食べますが、美味しいと言って食べません。
好きだったお刺身も、私が嚥下障害になってから食べていません。
少し重い母の気遣い。普通に食べて良いのに。
本当の食事
食べれなくなってからの私は、楽しみが失われた気がしています。
食べること、栄養が胃に送り込まれているので、生きてはいます。でも食べてはいません。
味わっていないのです。美味しいと思えない。
ただチューブから甘ったるいものが胃に送り込まれていくだけ。
私が今、何かを口にする機会は週に一度しかありません。
訪問STさんが来て、棒つき飴で舌を動かす訓練をする時だけ。
その時の60秒×2回のほんの120秒だけ。
それで私の1週間の本当の食事タイムはお終いです。
かかりつけ医の成長
私は自宅から近い医療機関をかかりつけ医として、F先生のところへは2.3ヶ月置きに受診しています。
嚥下障害になってから半年程経った頃、かかりつけ医から
「嚥下障害になって半年かぁ〜
回復難しいかもね…リハビリ続ける?」
と言われ、母は大激怒
この、かかりつけ医は若い患者の神経難病を診ることが初めてだったらしく、ご高齢の患者さんだとリハビリを積極的にやりたがる方がいないから、あんな事言ってしまったと、先生自ら謝ってくれて、もう少し理解するねと言ってくれました。
この一件依頼、かかりつけ医がF先生に連絡を良くしてくれるように連携がよく行くようになりました☺︎
しかし、リハビリは全然進まず、吸引回数が増えたり、SpO2が持続的に低下していたりと課題が増えていく一方でした。
無敵の愛
医療面のバックアップ体制は構築されていたので、心配はないと判断し、母は私のメンタル面のケアに重点をおいてくれました。
STさんや訪問歯科医からは口からはストップがかかっていたので、今は胃を美味しいもので満たそうと、家族が食べているものをミキサーにかけて、胃ろうチューブから入れてくれました。
私がお刺身を食べる日は、母もお刺身を一緒に食べてくれました☺︎
一手間いる私のごはんだけど、工夫を加えれば同じものが食べられるんだから全然良い。
と言ってくれる母。
私にとっては無敵です。
また食べることを目標に、今も頑張っています。