#水曜日が消えた
映画「水曜日が消えた」を見てきました。
幼いときの事故の後遺症で曜日ごとに違う人格になる「火曜日」が主人公。
中村倫也さん演じる火曜日はすごくかわいい。
起きたら毎日火曜日で、朝は月曜日が散らかした部屋の片づけをして、週に一回の病院に行く、でも本当に行きたい図書館は休館日。
文句を言いながら、でも他のみんなのために病院に行ったり部屋の片づけをしたりする火曜日は真面目で健気な優等生。
世界が火曜日しかないのは不便だけど平穏で当たり前のこと。
でも、ある日起きるとそこは水曜日だった。水曜日が消えた…?
火曜日は真面目で純粋で、きちんとしなきゃ、普通にならなくちゃ、一人に戻らなきゃ、という思いに囚われている。
火曜日の思う普通は、一週間ずっと同じ自分でいること。でも水曜日が消えたことで本当にそれでいいのか、もっと大事なことがあるんじゃないのかと考え始める。
全体を通して登場人物が少ない、セリフもそこまで多くないからこそ、映像で表現している部分がとても多い。
繰り返し出てくる事故の映像がカラフルなアートみたいで綺麗だし、きちんと伏線になっていて良い。各曜日たち色の好み、趣味、性格の違いも視覚的に表現されていて、見ていて楽しい。
ポストイットやボードゲームなどで間接的に関わっている曜日たちの日常を想像して微笑ましくなる。
個人的には月曜日の人たらしな感じが好き。割と迷惑かけがちなのに、「あとはよろしく」というポストイットがなんだか憎めない。
水曜日は「消えた」のか「消した」のか。水曜日自体はほとんど出てこなくて、水曜日を知る人の回想や普段のメモ、服装などから断片的に知るのみ。見ている側の解釈に委ねられている感じ。消えたと気付くのは火曜日と一ノ瀬だけ。そこに意図的な要素があるとすれば、月曜日と火曜日の意思かな。消えたのはあくまで結果で、消したかった訳ではないと思うけど。
改めて、曜日の概念て不思議だ。月曜日は少し憂鬱だし、金曜日の夜は少し嬉しい。私にとって火曜日は、確かに少し退屈で印象が薄い。今日もいつも通りの火曜日を過ごす。
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