映画「Venom the last dance」
Venom the last danceを鑑賞した。
IMAXで映画を見るのが初体験だったので、音響のクオリティの高さに驚かされた2時間だった。
大音声の楽曲が流れるアクション映画をみるのにぴったりだと感じた。
ディズニーランドのスターツアーズのような体験ができて、その立体感に驚かされた。
ヴェノムといえば、重低音でしゃべる声やノリノリのミュージックが醍醐味の一つで、それを最高に楽しめる環境であったと思う。
さて、映画本編はどうだったかというと、正直がっかりした。
ヴェノムシリーズはかなり好きなほうで、1作目に関しては10回以上観ている。2作目もそこそこの回数観ていると思う。
なぜ私に刺さらなかったのか分析してみた。
①悪役の意図がわからない
物語の登場人物には、それぞれの思想があって、それに基づいた行動があるからこそ、対立している関係にも納得感が生まれる。
エイリアンが出てくる作品であっても、そのリアリティを失ってしまうと、ストーリーの行く先が見えず、ありえない不思議な話で終わってしまう。
今作の悪役はなぜ囚われることとなったのか、なぜ自分の生み出したシンビオートたちを滅ぼそうとしているのかが全く明かされていない。もちろん今後の展開で明らかになりそうな雰囲気ではあったが、悪役が愛せない話は面白みに欠けるだろう。
思い出してみれば、ヴェノム一作目の悪役 ドレイクは宇宙の神秘に取りつかれた科学者で、シンビオートとの共生を目指す人間だった。彼には地球を消費していることを嘆く気持ちからそれを目指すようになっている様子が描かれていて、その気持ちも賛同できるからこそ、彼の行動は説得力があるものだった。
それと比較して、今作の悪役は情報がとても少なく、意図が読めない。今後の展開がありそうな様子ではあったが、今作単体では楽しめない仕様になっていると感じてしまった。
②楽しいシーンが少ない
1作目にあったのは、地球や人間に不慣れなヴェノムに振り回される面白い生活だった。エディは振り回されつつも、その強い力に魅了されて楽しんでいた。
今作のエディにあるのは楽しさではなく疲労や怒りだと感じた。ずっとプリプリと怒っていて、楽しいと感じている場面がほとんどなかったように感じた。
もちろん笑えるシーンはあるのだが、全体的にネガティブな感情を抱いている時間が長く、楽しい映画ではなかったように思う。
アクションだけを楽しみたい人にはお勧めするが、ヴェノムファンからすると、今までのヴェノムにあったストーリーの面白さは無いのでがっかりするかもしれない。