『恋とか愛とかやさしさなら』
一穂ミチさんの新刊発売ニュースに心躍る。
タイトルも素敵。涙でそうになる。やさしさなら、の【なら】がついてくるあたり。このニュアンス。すでに心掴まれている。
と同時に、物語紹介文にざわつく。
あれわたしこれ知ってるやつだとざわつく。
どこで見たの。ネットだっけ?初版限定の冊子? 選択肢を広げつつもこれだろうと思うものに、手を伸ばす。
いたいた。
STORY BOX に掲載されていたものだ。
『 Put your camera down 』
男と女のブラックボックス
けっこうぐらついて揺さぶられてすごかった作品。やっぱり一穂ミチさんってすごいなぁと唸っていた。
新夏のお父さんのエピソードを挟んでエンディングを迎える辺りといい、ほんとすごいと思ってた。
まぎれもなくshort storyのはずなのに、ぎゅっとぎゅっと詰まっていて、いろんな感情が押し寄せてきてお腹いっぱいになっちゃう感じ。読了後の放心状態がいつも物語っている。
自分のなかで響く言葉が多くて、残像のように引きずる感情たちであふれてしまうから。
だから一穂ミチさんを追いかけてしまうのだろうなあ。
言葉を追っていくと
どうしようもなく泣きたくなるきもちになったり、思いもよらぬところでグサっと傷つけられたり。激しい共感もあれば繊細な眼差しに...と、とにかく感情の振り幅に魅力されつづけている。
だから追いかけてしまうのだ。
そして、なにより。
わたしのファインダー越しに映る一穂ミチさんの姿。お顔も拝見したわけではないけれど、物語をとおして、活字をとおして浮かび上がる一穂ミチさんの才能の光り方、そしていろいろなものを丁寧に見つめてきたやさしさが宿るその目をすきになりました。
なんと、この作品の続編が
「恋とか愛とかやさしさなら」でした!
そうか、そうだったのかー。たのしみ。
10/30発売。まちきれない!!