子供たちがまだ保育園に通っているころ、私にとって雨の日は憂鬱でしかなかった。 子供を保育園にやっとこさ送り届け、その後慌ただしく通勤電車に乗り込む。その通勤電車も雨の為定刻通りに動かず遅延することがよくあり、電車の中も何かイライラした空気と湿気が充満している。かくいう私も心に余裕が無くストレスの塊になっていた。だから天気予報で雨を言い渡されるとガッカリするだけだった。 ある雨の日、幼い息子が言った。「雨が降ってるからカタツムリさんとカエルさんが喜ぶね。」と。自分の頭に雷が
私は大阪で生まれ、千葉で育った。どちらも海無し都道府県ではないが、海の近くで育ったわけでもない。でも、なぜ海の近くへ住むことに強烈に惹かれてしまうのだろうか。 二十代のころハワイに一年弱住んだことがある。美しい海が、いつも身近に存在している、と誰もが思っている場所だった。それより前に初めてハワイ旅行をした際、いつか絶対ここに住もう、と根拠もなく決意し、四年後にその思いを叶えることが出来た。そのころ人生の岐路に立たされ、心身ともに疲れていた。自分の人生を一度リセットしたい