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満天の星

田舎の空はいつも星が近かった。
親に嫌われて家に居場所がなかった夜。
部屋の窓から空を見れば星が光ってた。
夏でも夜は肌寒い田舎は、
外に出て寝転ぶと
綺麗に澄んだ空気が星をより一層
輝かせていた。

悲しい時辛い時
どうしようもない時
よく、部屋の窓から抜け出して
空を眺めて、タバコを吸う。

そうしてるのを知ってる幼なじみから
短いメッセージ。

「いまどこ?」
「かいだん」
「公園おいで」

大好きなミルクティーの紙パックが入った
コンビニの袋を下げた幼なじみがフェンスにもたれて
座っていた。

家から歩いてすぐの公園で
幼なじみとジュース片手に朝まで
なんでもない話をした。

幼なじみは中学出て働いてて
こんななんでもない朝までを過ごして
寝ずに仕事に向かっていた。

私が寂しくならないように。

親にバレないように家に帰った私は、
制服に着替えて行ってきますも言わず
学校に向かうフリをする。

高校には、友達が居なかった。
正確には話しかけられたしグループにも誘われたけど、
どこか、ギスギスした人を見下す
女子特有の会話が嫌で、話さなくなった。

小学、中学がそこまで人数が多くなかったから
全員友達みたいなところで
喧嘩しても、殴りあっても次の日には
笑って話せるようなところだったから
高校に上がって周りに知り合いが居なくなって
そんな女女した会話を聞くのも嫌になって
学校にも行かず
公園や、図書館で過ごした。

寂しくはなかった。
サボりの友人たちが集まってきてたから。

私にはそこしか居場所がなかった。
あの日までは。


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