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誕生日が辛い...

母を転倒させてしまったのは、実は母の誕生日でした。

そして、翌日は私の誕生日。

小さい頃は、母と1日違いの誕生日を、お友達や兄に自慢していました。

母は、いつも兄の事ばかりひいきするから、たまには私が優先されたい!という気持ちが働いて、そんなことを言っていたのだろうと今では思えますが(笑)

余談でしたが...


母の誕生日だというのに、おでこに大きなたんこぶを作らせてしまったことに、とてつもない罪悪感を感じながら、その日は病院で小さなケーキを買って、兄夫婦と私と母の4人でお祝いをしました。

その時から、母のせん妄は余計にひどくなりました。

みんなでケーキを食べているときも、母は私の事を

「誰?」みたいな顔で見つめてきたり、ケーキを一口食べる?と兄に聞いているのに、私には一つも聞いてくれなかったり、翌日は私の誕生日なんだよね!って兄が話を振ると、そんなこと知らないといった感じで話をスルーされたりと、私的にはかなりショックで辛い時間となりました。

その夜は、私が病室に泊まる日だったので、自宅に帰りたい気持ちを抑えつつも、頑張って看病しよう!と決意し、兄夫婦を見送りました。

母は、夜中うつらうつらしながらも、あまり眠れずに起き上がろうとしたり、酸素の紐を外してしまったり、私を呼んで水を飲ませてくれと10分おきに起こしてきたりと、ハードな夜となりました。

しかし、朝方、私が仮眠から目を覚まして母の事を覗きこんだ時、母はスマホのアルバムを見ていました。

震える手で、ゆっくりスライドしながら写真や動画を見ていました。

私の末っ子の写真を見て「〇〇ちゃん、本当にかわいいね~」とつぶやいているのです。

亡くなった父と一緒に写っている孫たちを見て、目を細めている母の後ろ姿が、本当に本当に....

切なくて

悲しくて

何も施して上げれずに

ただ、時間だけが過ぎていく


その姿を見て、私は涙が止まりませんでした。

本当は、まだ孫たちと色々な場所にいったり、遊んだりしたかっただろうに...

ラブラブだったお父さんと、もっと一緒に旅行にも行きたかったろうに...

娘にこんな姿を見られたくなかったろうに...

いつまでも元気でいたかったろうに...


その日は、私の誕生日でした。


こんなに辛く悲しい誕生日は、初めてでした。


その日の夕方、兄夫婦と当番をバトンタッチしてもらい、約1時間30分かけて自宅に戻りました。

その帰り道、私はどんな気持ちだったのか全く覚えていません。

ただ、家に着くと

主人と子供たちが

私が家に入るなり


「誕生日おめでとう!!!!!!!!」ってクラッカーを鳴らして、真っ赤なバラをくれました。

そして、みんなで書いてくれた色紙には、色とりどりのケーキの絵を描いてくれてコメントを寄せてくれました。

この日2回目の号泣タイムです(笑)

こんなにも、私を想ってくれている家族がいることに、本当に感謝しかありませんでした。

辛く悲しい誕生日であったけど

幸せで感謝にあふれた誕生日でもありました!





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