お父さんのガンと鬱
私の父は、総勢70人を雇用する会社の経営者でした。
父は、貧乏な田舎の炭を作る農家の長男坊として生まれました。
中学を卒業するとともに、上京し電気会社に就職しました。
しかし、結婚を機に自営業を母と営みはじめました。最初は全く仕事にならず、釣りやパチンコばかりしていた道楽者だったらしいですが、自営業が軌道に乗り始めたころから、仕事人間になったようです。
母は、箱入り娘だったようで、銀行にいけばお金がもらえると思っていたそうで、経理を任された当時は、銀行のやり取りに相当困惑していたようです。
そんな父は、40歳の頃に胃潰瘍になり、大量の吐血をしたことがありました。その頃は本当に多忙で、夜中まで両親は家にいなかったのを覚えています。
「寝ずに働く」とはこのことか!というお見本だったように思います。
父は、中小企業では少しばかり有名になっており、時折新聞や経営者雑誌などに取材される人になっていました。
今思うと、相当疲れていたし、ストレスもあったようで、身長165cmで95㎏くらいまで太ってしまい、いつも苦しそうな顔をしていました。
本当は、アウトドアが大好きで自然の中で散歩をすることが好きだった父は、いつの間にか人に会うことが億劫になり、外に出歩けなくなりました。
父が62歳の時に、体調を崩したことがきっかけで病院に入院。
その時に、ガンが発覚。
父は、相当落ち込んでいました。
病院が大嫌いだった父は、胃を全摘することを進められていましたが、断固として拒否し、民間療法や漢方、健康食品にどっぷりハマるようになりました。
この頃から、精神的に病んでいきました。
そして、神や宇宙といった精神世界を信じるようになり、目に見えないものに縋り始めました。