今度は母のガンが...
母は、父が亡くなってからとても弱くなりました。それと同時に、私にとって「母」という存在から、一人の「人間」という存在へと変わっていきました。
私には兄がいるのですが、兄に対しては、とてもかわいい息子というような感じで接していました。しかし、私にはそのような家族という感覚を与えてくれるような、甘えていいのかなっというような感覚を与えてくれる時間がとても減りました。
あくまでも、私からの視点観点の問題なので、母がどう思っていたのかは不明ですが...
そんな中、母が少しづつ元気になり、私の孫にも「会いたい!」と、周りに目を向けれるようになりました。
私には3人の子供がおり、長男は、とてもばあちゃん子でありました。
母は、とても私の子供たちをかわいがってくれました。
3人を平等にかわいがってくれました。子供たちは本当に、おばあちゃんがとても好きでした。
その子供たちを見て、私が子供のときにこうやって接してくれていたら、とても嬉しかったなって、心で拗ねていたこともあったくらいです(笑)
父が亡くなって、4年の月日が流れました。
母が、私の家に遊びに来てくれたある日のことです。
母は、もともと糖尿病を患っており、いくつかの薬を飲んでいました。また、ひどい腰痛持ちで、体のあちらこちらをいつも「痛い痛い」といっているような人でした。
しかし、その日はちょっと様子が違っていました。
やけに、腰やわき腹をさすっているのが気になりました。
私「どっか痛いの?」
母「いつもの事なんだけどね」
私「どうやって痛いの?」
母「大丈夫だよ!いつもの痛みだから」
私「最近、病院いってるの?」
母「糖尿病の薬はもらってるから大丈夫」
そんないつものような会話をしている中、私は違和感がぬぐえずにいました。
その後日、母は仕事の関係でフィリピンに行くことになっていたのですが、ちょっと体調が悪いから、行くのをためらっていたので、行かないように説得しました。
しかし、仕事だからとりあえず行ってくる!と言って、飛行機に乗っていきました。
その数日後、兄から連絡がきました。
私が感じた違和感が、残念なことに的中してしまいました。
病院に行った頃には、何リットルもの腹水が溜まり、身動きが取れないほど悪化していたようです。
精密検査をして分かったのですが、母は、子宮体ガンのステージ4で肺と肝臓に転移をしていました。
その事実を知った時、本当にショックでした。
父が亡くなったばかりで、今度は母....
しかも、ステージ4って....
母「最近、生理もとっくに上がっていたのに、ちょっと出血するんだよね...子宮脱で擦れてるのかもしれないんだわ...」と、私におぼしていたのを思いだしました。
あの時、もっと詳しく精密検査してもらえば、もっと早く見つけれたかもしれないのに...
本当に悔やみました。