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ゲー選かけ流しvol.14 『虫姫さま』

ゲームの選評を気の向くままにチビチビとかけ流す、ぬるま湯スペース。
今回は『虫姫さま』。
ライセンス期間の満了に伴い、Switch版は2024年8月10日に配信終了になるという。まだ購入できる今のうちに本作の魅力をまとめておき、少しでも未プレイの方の購入動機になればこれ幸い。

<筆者の虫姫さまプレイ歴>
・アーケード版はORIGINAL/MANIACをクリア済み
・移植版はXBOX360版をプレイ、実績1000解除済み


CAVEシューのターニングポイント

『虫姫さま』は、アーケードの2Dシューティング界を代表するメーカーCAVEからリリースされたゲーム。これまで同社が発売してきたシューティングから基板が変更され、画面に表示できる敵弾の数が従来比で劇的に増えた。

その結果、これまでのCAVEのシューティングよりも弾幕の密度が一段と高くなり、CAVEシューの高難易度化に拍車がかかる事となる。

敵弾は紫一色に統一。弾の重ね合わせや濃淡によって
立体感のある弾幕が襲い掛かるようになった。

『虫姫さま』はこれまでPS2、XBOX360に移植されており、本作はXBOX360版の仕様をSwitchに移植したゲームである。
言ってしまえばそれだけなのだが、最新のコンソール、それも持ち運び可能なハードで遊べるようになったのはやはり魅力的。

以降はXBOX360版から搭載された様々なゲームモードと、ゲーム内で選択可能なモード(難易度)、それぞれの特長について整理していく。

アーケード版から派生した盛り沢山のモード

Noviceモード

家庭用移植でよくあるNoviceモード。NoviceモードはNormalモードと同様、ゲーム開始時にそれぞれのモード(難易度)を選択。いずれのモードも「かなり」難易度が抑えられたゲームを遊ぶ事ができる。

同作を始めて遊ぶ人ならこれでも十分歯ごたえがあるし、
モードによってはちゃんと難しい。

アーケード版に準拠したNormalモードと比較すると、難易度の開きが大きいため、敵配置や攻略のとっかかりをつかんだらなるべく早くNormalモードに移行する事をおススメしたい。

Normalモード

原作となるアーケード版に準拠したモード。ゲーム開始時にORIGINAL、MANIAC、ULTRAの3種類のモードが選択でき、ゲーム性はモードごとに大きく異なっている。各モードの特徴については下記の通り。

<ORIGINAL MODE>
80年代のシューティングシーンを盛り上げたメーカー、東亜プランを彷彿させる、高速の自機狙い弾を中心に攻撃してくるORIGINALモード。ORIGINALと言うよりはクラシックなゲーム性となっている。

スコアシステムはシンプルで、全面クリア時に残機1機につき1000万点入るため、ノーミス進行が絶対条件。
そこから、ボムを効果的に使って中ボスの破壊点に倍率をかけたり、ボスのパーツを壊さずに破壊する等、細かい稼ぎのテクニックを駆使してスコアを積み上げていく。シンプルながら、稼ぎもアツいモードに仕上がっているのはCAVEならでは。

オリジナルモードで稼ぐ場合、
2面の立ち回りと稼ぎはとても重要なポイント。

<MANIAC MODE>
CAVEシューを代表する低速高密度の弾幕でプレイヤーをジリジリと追い詰めてくるMANIACモード。『怒首領蜂』以降の弾幕シュー経験者ならMANIACモードから始めるのもアリ。

弾幕はかなりの高密度で、従来のCAVEシューよりも厳しめ。一方、一部中型機を破壊した場合には弾消しが発生。緊張と緩和のポイントは過去作よりも増えており、プレイ中のメリハリが利いている。この辺りのバランス調整はさすがの一言。

攻撃力が低くショットを連続して当てやすい
W(ワイド)ショットが稼ぎのセオリー。

スコアシステムが独特で、ショットを途切れさせず継続的に撃ち込み、撃ち込みカウンタを上昇させる事で加速度的にスコアを跳ね上げる事ができる。

スコアを稼ぐ場合はオプションショットを発射せずにメインショットのみを断続的に当てる事になる。必然的に敵を破壊するタイミングを遅らせるためになるため非常にハイリスク・ハイリターン。ご利用は計画的に。

<ULTRA MODE>
アーケード版では隠しコマンドで開放された超高難易度。ULTRAモード選択時には警告画面が出るという徹底ぶりである。
CAVEシューの2周目(又はそれ以上)に相当する難易度で、プレイヤーに対し容赦のない超高密度の弾幕が襲い掛かってくる。

ULTRAで通常ラスボスの後に控える真ボス「アキ&アッカ」(以降、真アキ)は今でも語り草になっている、シューティング史に残る凶悪ボス。

新基板のベンチマークでもやってるのかな?
と言いたくなる超弾幕。これでも
真アキの攻撃の中では対処しやすいパターン。

今までのCAVEシューティングの真ボスはボムに対してバリアを張って無効化するケースが殆どだったが、真アキの場合はボムが炸裂する前にアッカがボムを回収してしまうため、こちらの無敵時間が短縮されてしまう。その間真アキは一定時間バリアを張っており、バリアにショットを当てると超高密度の全方位弾を連射。画面上が阿鼻叫喚の地獄絵図になってしまう。

ボムは横取りされるし、真アキはバリア張るし、
バリアに撃ち込むと撃ち返されるし。どうしろと?

常人は手を付けない事をおススメしたいモードだが、クリアできる超人が存在する事もまた事実。クリアできるかどうかは置いておいて、自分の限界にチャレンジするのもアリ。コンティニューはし放題なので、シューティングの高みに触れてみるのもまた一興。

Arrangeモード

アーケード(Normal)モードをベースに自機のオプションの数を増やすなど、アッパー調整を施したアレンジモード。

ゲーム開始時のモード選択はなく、全体を通してアーケードのMANIACとULTRAモードの中間位の難易度に収まっている印象。ArrangeモードはULTRAと同様に真アキが登場。あまりにも凶悪過ぎた最終形態の発狂モードだけ攻撃パターンが変更され、幾分か慈悲を感じさせる弾幕になっている。

真アキの発狂が緩和され、ボムを有効活用する事で
撃ちこむチャンスを確保しやすくなった。

虫姫さま Ver.1.5

特別限定基板としてリリースされた激レアバージョン。ゲーセンで稼働した事を目にした人もかなりレアに当たるだろう。

MAXセレクトシステムでパワーマックスを選択した場合は敵の攻撃が激しくなる仕様となっている。Arrangeモードよりも更にアッパーな調整になっており、敵の攻撃パターンだけでなく敵配置にもテコ入れがなされている。

腕に覚えがあるプレイヤーなら
MAXパワーがオススメ。
通常バージョンとの違いが際立つ。

おわりに

本作はXBOX360版で好評を博した『虫姫さま』をSwitchにキッチリと移植した作品である。比較的安価なダウンロードゲームとしてリリースされたためか、オンラインボードはオミットされてしまったが、XBOX360版から全く遜色なく、気軽に遊ぶ事ができるのは嬉しいポイント。

XBOX360版では実績システムがあり、筆者はリリース当時、涙と鼻水の覚悟をしながら実績1000コンプリートまでやり込んだ。XBOXで遊んだゲームの中でも一、二を争うくらい達成感があったが、二度とやり直したくない(難易度の高い)実績でもあった。

XBOX360版の実績はArrangeのノーコンティニュー
クリア、ULTRAの真アキ撃破が露骨に難しい。

Switchは実績がない分、やり込み具合を可視化しながら上達を実感する事ができないが、実績の条件に縛られる事がないため、自分の腕前と目的にあったモードを好きなように楽しむことができる。

繰り返しになるが、Switch版は2024年8月10日に配信終了となる。気になる人はこれを機にダウンロードされたい。気に入ったなら長期スパンで気軽に楽しめるゲームとなるだろう。

本作を一言で言い表すならば
「弾幕・非弾幕・超弾幕の面白さ全部入りシューティング」
である。

今もゲーセンで見かける事がある、
CAVEを代表するシューティングの一つ。

本作の選評は以上。
次回もよろしくお願いします。

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