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秋単衣

友人たちと誘いあって、着物ランチに行ってきました。
いつも当日の朝、何を着て行くか決め、帯や小物を合わせるのですが、
今回は珍しく前日の夜に準備をしてみました。

変なシワを見つけてアイロンをかけたり、帯締めや帯留めを選んでいるうちに気持ちが乗ってきて、長襦袢の半衿をつけることにしました。

最近はもっぱら衿秀さんの「きらっく」で楽チンしていたのですが、久しぶりにお気に入りの鳥獣戯画の長襦袢を着ていきたくなったのです。

ちなみに「きらっく」とは、このようなもの。

着物を着る人はみんな知っている便利商品です。

この半衿付けから解放されるだけでも、着物人口が増えるってものです。それぐらい襟を縫い付けるのは面倒くさい。でもね、やっぱり時々正絹の粋な柄の長襦袢をピシッと着たくなります。

さて当日、9月は札幌でさえ暑くて出番がなかった、単衣着物の登場です。昔は知識がなくてよく分かっていなかったのですが、紅葉など秋の草が散らしてある単衣着物は秋に着るのが良いらしいです。(当たり前か)

早速、昨日用意した長襦袢の上に着物を着付けていくと、なんと!袖から長襦袢が飛び出しているではありませんか…(涙)これが中古着物ばかり買っている悲しさです。私は手が長いのでほとんどの中古着物を裄出し(腕の分長くする)しているのですが、これは微妙に短いぐらいだったのでそのままにしておいたのです。対して長襦袢はマイサイズで仕立てたもの。すっかり忘れていました。

さあ、全部脱いで、新しい長襦袢を出して、襟芯入れて…ってとこからやり直しです。ほんと、いっつもなんでこんな大変な思いして、着物なんて着ているんだろうって思ってます。

でも、着付けちゃえば楽しいのです。

ランチの後神社に向かう途中。左が私。
右手の方が力が強いので、いつも背中の右の方に皺がよる

気持ちの良い秋晴れの中、着物ランチを堪能しました。着付けは50代にはぴったりの趣味だと思います。ちょっとたるんできた肌や髪に混じってくるグレイヘアに、着物はスッと馴染んでくれるのです。若作りしなくても年相応の美しさを引き出してくれる頼もしいアウトフィットでもあります。
どんなに着付けに汗をかこうとも、襟付けがどんなに大変であろうとも、これからも大事にしたい趣味です。

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