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【読書記録】音楽が鳴りやんだら

図書館の新着図書にあった一冊。
文庫本じゃないのが少しネックでしたが、ページめくって出だしだけ読んでおもしろそうだったので借りてみることに。

こういうハード本はどうやっておもしろそうとか判断したらいいかわからん。。(文庫本は裏表紙のあらすじで判断してる)

感想

結果、当たりでした!

私は邦ロックバンドが好きなこともあり、
バンドのフロントマンが主人公というのがはまったんだと思います。

幼馴染4人組のバンド『Thursday Night Music Club』がデビューに向け、レコード会社との契約の条件として、
メンバーの1人を外してレコード会社で用意するベーシストをメンバーにするという条件。
リアルでもありそうだな、と思いました。

音楽の才がある葵には、成功するために代償を払う必要がある。そうしないことは音楽への冒涜だ__
そんな言葉を投げかけるプロデューサーの中田。

そしてどんどん、うますぎるくらいに成功への道を駆け上っていく中で、
葵の本心も変わっていくように感じました。
ただ根っこは純粋に音楽が好きな子どもだった時や、
デビュー前の売れていないバンドマンだった時から変わらず、
なんとなく素直で優しい青年なのだと思っています。

会話でストーリーが進んでいく部分も多く、
作曲も作詞もする葵のセリフは、時に詩的で
現実か、妄想かが分からないように書かれているように感じたり。

後半は、ロックンロールなパフォーマンスや振る舞いが暴力的で
少し目を細めながら読みました。

エピソードてんこ盛りで、でも窮屈さは感じなく
リズムというか、とにかく次が気になるストーリー展開でした。

最後は中田さんの隠されていた過去が衝撃的で、
でもなるほどな、という気もして、
実はもう一度読み返しました。

著者の他の作品も読みたくなる1作だったので
機会があれば読んでみようと思います。

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