「この世は何でも起こりうる 何でも起こりうるんだわ きっと どんなひどいことも どんなうつくしいことも」
タイトルは岡崎京子のPinkから引用。
岡崎京子をで初めて読んだのは13歳のときだった。
初めて読んだのは「Pink」
主人公のユミちゃんは昼間はOL、夜はホテトル嬢をしている東京で働く女の子。
彼女は一人暮らしで部屋の中にワニをペットとして飼っている。彼女はワニを自分の「スリルとサスペンス」のために飼っているがワニの餌代はOLのお給料だけでは賄えないらしく、ホテトル嬢をしている。
ユミちゃんは欲しいものは何でも手にいれるために働いている。
ユミちゃんはひょんなことから継母に買って飼われている小説家志望の大学生のハルヲくんと付き合うことになる。ユミちゃんの腹違いの妹のケイコはハルヲくんの小説の第一読者となる。
ユミちゃんとワニとハルヲくんとケイコの3人と1匹の間で、ささやかな家族のような幸せな関係が築かれてゆく。
あらすじとしてはこんな感じ。
この漫画のテーマは「愛と資本主義」
私はこの作品が大好きだ。
作品の中に
「このBランチ(ハンバーグ・魚フライ・スパゲッティ添え・ライス・コーヒー付800円)て私たちみたいじゃない?」
「毎日たいした仕事もないし、毎日そんなに代わりばえもしないし、毎日良くもなければ悪くもないたいくつなメニュー。そんなかんじがそっくり。」
というセリフがある。このセリフには、日常生活の退屈さが表されている。もっと刺激のある「何か」が欲しいけれど、その「何か」がわからない。そして分かってもきっと手に入れることはできない。
初めて読んだときから10年以上経つけど、私いまだに「何か」を探している。
東京に引っ越してきても「何か」はわからない。
そしてこの先もわからない。
でも、それでいいんだ。
だって
「この世は何でも起こりうる 何でも起こりうるんだわ きっと どんなひどいことも どんなうつくしいことも」
だから。
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