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代理店からメーカーのマーケ職になって最初に知った「マーケティング」と「広告」の違い
大手の代理店だし、クライアントもみんなが知ってる大企業だし..もはや「広告の事はなんでも知ってるぜ」くらいの自負と知ったかぶりを持ち合わせていた代理店時代。ところが、マーケター1年目の春に、こと「マーケティング」業務となると、ほんの一部にしか関わっていなかった事をまざまざと知りました。
代理店へのブリーフィングはマーケティング戦略が出来上がってから
広告代理店の殆どはエグゼキューションと言って最終的なアウトプットを求められます。広告主のTV-CMやグラフィックのクリエイティブの開発、それらの露出を確保するメディアプランニング。顧客に体験してもらうためのイベントなど、商品の発売に合わせて「商品プロモーション」を丸っと預かります。総合代理店はそれらを1ストップで実行できるのが良い点です。(もちろんグループ会社、ベンダー、クリエイターとの協業は必須です)
なので、僕は広告やプロモーションに関する事は「代理店に何でもお任せあれ!」と思って胸を張っていましたが、恥ずかしながら僕は純粋どMの営業マンだったために何も分かっていませんでした。
マーケティングプロセスにおける代理店業務を知ってみる
一般的に使われるマーケティングプロセスの図をもとに広告代理店が関わる領域を説明します。これを見ると、市場分析もセグメントもターゲット設定もブランドのポジショニングも..依頼が来るまでに、既に熟慮されたマーケティング戦略ができています。そのお膳立ての上で、代理店にアイデア/企画/実行を依頼されているのです。
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代理店が関わるのはマーケティングミックスのさらに一部分
※僕は代理店業務にも誇りを持っているのでどちらも大事な存在であることを前提に書いています。あくまで個人の見識が狭かった事にたいしての気づきです。
という前置きをしてから戻ります。マーケティングミックスとは、誰もが1度は耳にした事のある4Pです。既に商品も価格も販売場所も決まってる事が殆どですので、代理店はこの4Pの中の「プロモーション」を考えて下さいという事になります。
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このプロモーションの領域で最大限にオリジナリティ溢れるパフォーマンスを発揮する事に従事するのが代理店の役割です。
マーケターは縦軸、代理店は横軸と整理すると意外と役割の被りが狭い事がわかる。
今日のまとめは、マーケターは各チームと合意形成を図りながら1つずつ工程を踏まないと次の工程に進めません。また脳の使い所も変わるので人によって得意な所、苦手なところも分かれやすいと思います。相対的に区別するために代理店側を説明すると、1つずつというよりは「プロモーション」という限られた領域において、ごまんとアイデアを出し合い、自分たちで首を締めるくらいに風呂敷を広げ、色んな組合せや可能性を掛け合わせるという横軸の仕事で分けるとマーケターと代理店の仕事の領域が分かりやすいです。
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これをマーケ職になって初めての担当プロモーションで実務的に認識した時、改めて世に販売される1年〜長ければ数年前から調査/分析をもとに商品コンセプトや顧客へのメッセージ開発をしているゼロからイチの作業をしている仕事の難しさと魅力に深い興味が湧いてきました。
マーケティングの仕事はとんでもなく深みがあるのですが、今日は自分で書いてて小難しさを感じてしまいこのNoteでやりたい事からいきなり離れてしまっていて悶々している..という感想を添えて終わります。
*広告代理店の仕事はもちろんこの限りではなく、戦略策定や調査から関わるお仕事もたくさんあります。僕が関わっていたのが「代理店売上の7割近くを占める仕事」と思って貰えたら良いかと思います。