ビリヤニ変異
ビリヤニというものは、細長い米粒を使った料理だと聞くけど、こんなにも細長いなんて知らなかったわ。
米粒をぐるりと首に巻きつけて弄びながら、娘は言った。
こら、米粒で遊んではダメだよ。
父親は、フォークで米をくるくると絡めとって口に運んだ。
本当は、本物のビリヤニを食べさせてやりたかった。
でもだめだ。
何年か前から、ビリヤニ米は日に日に細長くなっていってしまった。
最初は小指の爪ほどの長さしかなかった米は、まるで髪の毛が伸びるように、どんどん、どんどん・・
今では、そこら辺の蛇より長いかもしれない。
ほら、現に、今、娘は首に巻きつけているではないか。
収穫は大変そうだ。
つくづく、自分は普通のサラリーマンで良かったと思った。
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