梨の小部屋
梨のようにくびれていたら、まともな大人になれないと言われて育ったので、ある程度きっしゃりしてるつもりだった。
でも気づいた。
梨の内部の小部屋には、しなしな星人が五匹ほど住み着いているので、結局のところ私はきっしゃりもしんなりもできないのだ。
しなしな星人と肩を組むつもりはないけど、だからと言ってきっしゃりするのも腹立たしくなってきた。
きっしゃりするくらいなら、梨の小部屋を売り払ってしまおうか。
部屋は、思ったより高く値がついた。
しなしな星人は居場所を失い、梨の種のあたりの薄皮のぬるぬるしたところのあたりをうろつきながらも生きていくのだろう。
梨のくびれがきっしゃりするまで。