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写真が主となっている記事をまとめています。
イオンシネマが1日映画見放題のフリーパスを期間限定で発売していると知った。2,500円で何本でも見られ、しかもドリンクが飲み放題という太っ腹な企画だ(現在は終了)。筆者は以前から、映画は1日1本というのを原則としてきた。2本以上見てしまうと、最初に見た作品の印象が薄まってしまう。1つの作品を重んじ、その日はその作品のことを考えるためにも1日1本としてきた。 ところが、今回、映画見放題というある種の挑戦状が映画館側から出された。普段より映画館に通い、少しでも拙い記事を出し
シジミ汁が好きな売れない作家「御前零時」は一度成功したものの、その後は鳴かず飛ばずで、気付けば高齢者のど真ん中。親子以上に年の離れた新人編集者には、「売れない」「物語じゃない」とこき下ろされる。夜になると作家は、行きつけの酒場を回り「夜は酒が連れてくる」と長年の飲み仲間とくだをまいていた。だが、そんな落ち目の作家にはある噂があった。「あの人の小説は、殺人の描写が具体的すぎるんだ。まるでその場にいたかのように」 老獪な役者たちによる、反新時代闘争の人間賛歌。クライム?ドラ
顔中にあるタトゥーがトレードマークのブライアンにとって、「移民排斥」「白人のためのアメリカ」を謳うヴィランダーズ・ソーシャル・クラブは人生の全て。クラブのリーダーであり育ての親、クレーガー夫妻は絶対の存在だった。ナイフと銃で武装し、「家族」に手を出す人間には容赦しない。 ある日、閑散とした集会で出会ったジュリーは、暴力的な夫と別れ、3人の娘を1人で育てている。愛犬ボスをきっかけに、2人の仲は深まっていく。ジュリーは暴力的なクラブを嫌っていて、ブライアンはクラブの活動に嫌気
映画館 絨毯の柔らかい感触がある。幅が広い廊下を進み、重く分厚い扉を開けて薄暗く細い通路に入る。少し進むと、実物の数十倍大きい人間がしたり顔で話す光景が飛び込んでくる。そこは広い空間で、大きな顔に向かってイスが段々にずらっと並ぶ。壁一面に広がるスクリーンの予告編を背に、足元の灯りを辿って自分の席に着いた。携帯の電源を切っていると、10メートルほど前方にあるスクリーンではカメラ男のダンスパフォーマンスが終わり、本編が始まる。パッと映し出されたのは茶色の大地と、まっすぐ伸びた道路
5月21日、大阪の緊急事態宣言は解除された。その前日、5月20日の梅田の様子を写真で報告する。全体として飲食店以外のアパレル、雑貨など商店が開き始め、一時期よりは人通りも回復しつつあるものの、通常より7~8割ほど減っている印象だった。 (13:37 御堂筋線北改札口直上) (13:44 JR大阪駅中央口改札前) (時間と場所によっては人混みが戻りつつある) 駅周辺では、通勤客などが多く見られるが、店舗の多くが閉鎖中の商業施設内では、まばらな人出となっていた。 (
いつのまにか5月も中頃になってしまった。緊急事態は延長されたものの、日に日に過ごしやすい陽気になるのも手伝って、どこかこの状況に慣れてしまった。感染者が抑えられてきたこともあり、徐々にコロナに飽きてきてしまっているように思える。検察庁法への抗議のハッシュタグが拡大した一因も、コロナの話題に飽きたことと、政権への不満が広がってきたことが重なったからではないかと、新世界を歩きながら考えていた。 今回は5月11日に、天王寺から新世界、西成一帯を昼過ぎから23時前にかけて歩いた
0時 北新地~中之島公会堂 終電がなくなり、いよいよ徹夜撮影の本番だ。まず北新地に向かった。以前訪れた昼間と同様、人通りがほとんどない。ただ、閉まっているクラブでもネオンが点いているので、怖さはそれほどない。飲み会と思われる5人ほどのグループが一組、女性スタッフと送迎するボーイ、道路工事の作業員、2人組の手ぶら青年、ランニングの恰好の女性。0時過ぎの北新地で見かけた人は以上だ。 (0:04 北新地) (0:33 大江橋北側 スーツケースを引く女性は中之島を南に歩いて行った
緊急事態が宣言され、3週間が過ぎた。大阪の人通りはおよそ8割削減されたと言われている。筆者の家の周辺では行き場を失くした家族連れ・高齢者・学生が公園に集い、むしろ普段よりも人出は多いが、梅田ではかつての人混みが嘘のような、非常に快適な人口密度だ。地域による落差はあろうが、中心部において8割削減は大げさではないと感じる。 さて、不要不急とは、についての議論がツイッターで散見されるなか、筆者が見たある投稿には「私がしたいと思ったとき、それはもはや不要不急ではない」という思い
4月25日の午後を人のいない中之島の芝生で優雅に過ごそうかと思っていたが、似たような発想をする人は多いようで、中之島は混んでいるとも呼べるほどの人出だった。鴨川のカップルよろしく、川を望む芝生には一定間隔を置いて人がいる。筆者も端っこに陣取り、初夏とも言える日差しを受けながら、少し早いが冷麺(200円程度)をいただく。食後は佐木隆三著『娼婦たちの天皇陛下』を読む。街路樹は背もたれには向かないようだ。 さて、後はどうしようかと思ったが、せっかくカメラを持っているので心斎橋
筆者が、日本で暮らしたい理由のひとつとして桜がある。木にいっぱいの花が咲き、それが日本中どこに行っても、見ることができる。春はやはり最も好きな季節だ。 だが、かといって筆者が桜の写真を撮りまくるかというと、そうでもない。桜は、あらゆるプロカメラマンがあらゆる方法で撮影しており、どう撮っても二番煎じどころか三番煎じでも足りないくらいの、既視感のある退屈な写真になってしまう。美しさで競うには、技術も労力も機材も足りない。 そんなこんなでイマイチやる気がでない桜写真だが、
1965年、ベルリン国際映画祭に衝撃が走った。日本代表のその作品は、上映開始直後から観客のストップの声や口笛が吹かれるなど大ブーイングが起った。故・若松孝二監督の『壁の中の秘事(ひめごと)』は、ピンク映画を手掛けて評価を得た監督が、若松プロとして独立後に製作したピンク映画だ。冒頭からスターリンの肖像をバックに、ケロイドを負った平和活動家の男と、人妻によるベッドシーンが展開される。 今でこそ、一般の映画でも性的なシーンは珍しくないが、当時のベルリンには刺激が強かったようだ
私事ですが、3月31日をもって完全に学生身分が剥奪され、4月1日より無職へと変わりました。大海原を1人で漂流しているような、進んでいるのか、後退しているのか分からぬ日々ではありますが、今後はより一層、アルバイトと就職活動に力を入れていく所存です。 追伸 近日「海を渡ったピンク映画」を掲載予定です。是非ご笑覧ください。
米朝核交渉が佳境の中、米大統領選の投票が始まった。その頃、ベテラン傭兵のエイハブとチームはCIAの依頼で、南北軍事境界線近くの極秘地下施設にいた。大統領の支持回復のため、北朝鮮高官の拉致が目的。核施設の場所が分かり次第、空爆する手はずも整っており、あとは作戦を遂行するのみ。そんなとき、仲間からエイハブに送られた施設内の映像にある男が写っている。北朝鮮の最高指導者、キングだった. . . . . . 最初からフルスロットルのノンストップガンアクション。揺れるハンディカメ
2020年3月11日、東日本大震災から9年がたった。この日が近づくと震災関連の記事やニュースが紙面にも、テレビにも増える。今年は新型コロナウイルスの渦中ということもあり、全体的に数が少ない印象がある。それでも、3月11日には各紙朝夕刊の一面には「震災から9年」の記事が載っていた。 ただ、新しい出来事や事実が明らかになることがない場合、震災から◯年という自明の事実だけでは、訴求力は期待できない。見出しと合わせて、より人の感情に訴えかける写真が重要となり、この日は各紙とも普
「Heil Hitler!!」。ハーケンクロイツを胸に抱く少年ジョジョの夢はSSになること。張り切りすぎて、軍隊の体験キャンプで自爆したジョジョが家に帰ると、誰もいないはずの家から物音が。亡き姉の部屋の隅に隠し部屋を発見し、恐る恐るのぞくと、怯えた様子の少女がいた。ユダヤ人を殺せと教えられてきた少年と、勝気でダンス好きなユダヤ人少女の奇妙な共同生活が始まる. . . . . . 戦争とナチスへの強烈な風刺の中に、時代に翻弄される2人の交流を通して、作り手の人間愛が垣間見
昨年の1月17日の早朝はベッドの中にいた。起きて寝過ごしたと分かったとき少しバツが悪かったことを覚えている。今年はどうしようかと、悶々としているうちに、結局1月16日の夜になっていた。 初めて「1.17のつどい」の会場に行ったとき、報道陣の数に驚いた。そのときは学生新聞の記者として写真を撮ったのだが、祈る人を撮る罪悪感と同時に、真摯な参列者の姿を見て撮るべき瞬間だとも感じた。 今年はどうしようか。行ってもできることなどないだろう、と思う反面何もしないよりはマシだとも