1年でブラック企業に辞表をたたきつけて一国一城の主になる方法
プロローグ
「ビッ〇モーター?」「ぬるいんじゃねーの?」
その男の勤務していた会社はとんでもないブラック企業だった!
朝は10時前には出社し、帰りは終電に乗れればラッキーで、
終電を逃したら、職場で始発まで仮眠をとり帰宅する。
自宅賃貸マンションは、ただのシャワールームでしかなかった。
彼の夢は金持ちになることでもなく、素敵な彼女を見つけて結婚することでもなく、ただただ、このブラック企業に辞表を叩きつけて、独立し一国一城の主になることだった。
そしてその計画は、今まさに、実行に移されようとしていた。
一年後には社長だ!そう思うといろんな嫌なことに耐えられるような気がしていた。
決断する
「決断とは、決めて、他のオプションを断つこと」だと、
誰かが言っていた。
その男は正に決断したのだ。
一年後、自分は一国一城の主になる!他のオプションは一切なかった。
まず、男が行ったのは副業だった。
そのために、早出もサービス残業も一切やめた。
当然、風当たりは強かった。風速40メートルレベルだ。
大型トラックが転倒する暴風だ。
普通ならうつ病などの精神的な疾病を患ってもおかしくない。
だが、一年後、一国一城の主になると決めていた男には、
むしろ心地よいそよ風にさえ感じられた。