彼とわたし、魂の絆
幼い日、私は父にとてもかわいがられて育った。
父はいつも私の好奇心を満たしてくれた。
いつも優しい瞳で私を見守ってくれていた。
私は父の肌のぬくもりを感じながら眠るのが好きだった。
父にはほくろが盛り上がったような痣があり、私はいつもその感触を触って楽しんでいた。
それと同じ痣が彼の左肩にもある。
それを見つけたとき、何度も何度も撫でて感触を思い出している私がいた。
彼とは、従弟のせいか、肌の感覚がとても似ている。
そして、その肌の感触は、父のものともそっくりだ。
彼の肌に触れると、幼いころの記憶の奥にあった何かを思い出す感覚になる。
彼に抱かれると、幼いころ父に抱かれて眠っていた感覚を思い出す。
とことんまで傷ついていたそのころの私にとって、彼の存在はすべてを包み込んでくれる大きな愛であり癒しだった。