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遊ぶだけで投資を学べるキャッシュフローゲームの感想

今日は事業家集団の方が主催する、ボードゲーム会でキャッシュフローゲームをやってきました。前々から気になっていたゲームではあったのですが、なかなか手に入らない、コロナ中一緒に遊べる相手がいないので、話に乗りました。

キャッシュフローゲームとは

「金持ち父さん・貧乏父さん」で有名なロバート・キヨサキがフィナンシャルリテラシーを身に着ける勉強のためのゲームとして出しているボードゲームです。

ルール:

1.モノポリー&人生ゲームに近い。
2.株、物件、事業を買って不労所得を増やすことを目指す
3.自分の総支出を不労所得が超えたら、ファストトラック(勝ち組)コースへ行く
4.ファストトラックの最初に自分の決めたマス(夢)に止まったら勝ち

ゲームの良かったところ

・モノポリーと違って、銀行から融資(利子10%)をしてもらって株、物件、事業を買うことができるので、お金があるから物件を買う、のではなく、借金してでも買う価値があるのかという側面で判断をさせてくれる
・バランスがよくとれていて、いきなり大きな物件や事業を買っても、収益よりも利子が大きくなってしまうので、ある程度の貯金も必要でどのタイミングで大きな投資をするか考えるのも面白い。
・そのある程度の貯金のために、まずは小口の投資からはじめるか、毎月の収入からある程度の頭金を貯めるか、手段がプレイヤーに任されている

ゲームの改善すべきところ

・不労所得のすばらしさを強調するためとは思うが、ファストトラックにはいったら資産がマイナスになる要因がないので、勝ち組トラックにいる人は適当にサイコロを振るだけで、どんどん資産が溜まるので、ゲーム性はない。あとは指定したマスに止まるまでサイコロを振るだけ。
・ファストトラックには、株価カードやマーケットカードがないので、人がファストトラックに抜ければ抜けるほど、残された人はイベントが発生しない分、投資したものを売るチャンスがなくなり、より上がりにくくなる
・気軽に遊べない。今回はかなり強引で3秒ルールで判断を迫ったりしたが、それでも収支カードをつけたりなどの手間などから2時間ぐらいかかった。
・利回りが確定している(例:このマンションを買ったら毎月$2000入る)かつ、利回りが変動しないので、数回遊んだら、買うべきカード、そうでないカードがわかってしまい、飽きてしまうだろう。現実ではこんな簡単な投資はない。

今回の会場と遊び方そのものについて

今回は純粋にボードゲームを楽しみたい人の集まりではない。参加者18人中12人は環〇の事業家集団の関係者である。
・初心者にルールを説明せず徹底的に叩き潰す。
・不労所得のすばらしさを高らかに語る
・師匠とよばれる自称起業家が出てきて、ゲームの中で、いかに「事業」を買う(=所有する)ことが大事かを説明する。
・フィナンシャルリテラシー大事だよね。自分たちはあの師匠のもとでビジネスについて勉強させてもらっているから、あなたも入って一緒に勉強しない?と一緒にゲームした人に勧誘される

最初っから最後まで最終的には師匠への紹介、グループへの所属を前提に話をし、盛り上げるために、大げさにリアクションをしたりするので、外部の者から見るといっしょにゲームをした仲ではあるが、どうしても気持ち悪い、という感想が先に出てきてしまう。

次回の参加を前提に師匠が締めくくって会はお開き。ちゃんと時間をかけて試算して投資すべきかどうか計算できたならもっとフィナンシャルリテラシーを身に着けることができるかと思うのですが、今回は初心者が不利になるように、3秒で買う買わないなどの判断をすることを要求される(経験者はすでに良い物件のカードを知っている)、などゲームの醍醐味を損なっていますね。

不労所得絶対主義?

このゲームは不労所得をめざす、不労所得推しゲームです。見失いがちですが、このゲームのプレイヤーはプレイ開始時からすでにキャッシュフローはプラスです。住宅ローンや月々の支出はあるものの、それを上回り、子供を3人養っても問題ない収入があるのです。

ゲーム中、何に投資しなくても、月々貯金が増えていきます。そりゃぁ、世界中をクルーズで旅行したり、別荘を買ったりはできないけど、今の仕事に満足して、家族も養えるんだったらそれも一つの幸せの形じゃないかな?と遊んでいて感じた。

このゲームで挙げられている最終ゴール(夢)には「プライベートジェットにのる、カンヌ映画祭で有名人とパーティする、アフリカのサファリで動物とふれあう」などがある。それを人生のゴールにすると、それをしている瞬間は幸せかもしれない。だけど、その経験してしまったら、それ以上の欲がでてきてしまい、それを満たさないとまた不幸せになってしまうという悪循環に陥ってしまう。

ある程度生活ができている水準にいるのであれば、自分のやっている職業に誇りをもって働く会社員と、月数百万稼ぐ投資家は、享受できる幸せの量はそんなに変わらないのじゃないかな、と思った。お金でなにかを買うことを最終目標にするよりも自己実現を夢にする項目があればよいのに、という面で本当に人間が幸せになる条件から目をそらさせ、投資しお金を稼ぐマインドを作ることに誘導するにはうってつけのゲームかもしれない。


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