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ゴルフS&C3:ピリオダイゼーションどうするの?
前回はS&Cプログラムがどうゴルフのフィジカルパフォーマンスに影響し、ゴルフの文献に合わせて自分であれば以下のようにすると書いた。
4つの8週間のトレーニングブロックとその4つの間に1週間ずつのレストを入れ、全体で36週間、9ヶ月のトレーニングプログラムを作る。(残りの3ヶ月は便宜上、オフシーズンとする。)
週に2回のウェイトトレーニング。つまり、全体で72セッションとなる
で、各トレーニングブロックにフィジカル測定をする。これは1週目、4週目、そして8週目でいいだろう。これを4回繰り返すわけだから合計12回の測定をすることとなる。
ここから問題になるのは何に焦点を置くかである。ウェイトにいて焦点を置くものは基本的に3つしかない:筋力、スピード、そしてパワーである。
前であればここに可動性や安定性も入れていたのだろうが、自分はこれらは基本3つを向上させるためのものだと思うので、ここでは省く。やらないということでは決してない。
またどこから始めるのか?筋力なのか?スピードなのか?パワーなのか?以前であればForce-Velocity Profileを作り筋力とスピード、どちらに偏っているのか?それとも既に理想的なバランスなので全体的に押し上げていけば良いのか?を考えるであろうが、自分はそれをもうしない。理由としては、1)正直めんどい、2)理論上で理想的なF-V profileを持っている選手が勝つわけではない。まぁ一番でかいのは正直めんどいからである。
では、どうするのか?まずゴルフとは何か?スキルスポーツであり、フィジカルの面から見ればパワースポーツである。(正確に)どこまで遠くに飛ばせるかは順位に関わってくるし、どこまで飛ばせるかはクラブヘッドスピードが必要である。そして、クラブヘッドスピードを上げるためにはパワーが必要となる。では、パワーは何か? Power = Force x Velocityである、つまりパワー=力x速度。で、この速度というものは先天的なものが大きい。力、つまり筋力、も先天的な部分はあるにはあるが、伸びしろは速度よりもあることが多いと自分は考えている。なので、まずは筋力を上げていくこととなる。
一旦、筋力を上げることとなったら次はどれくらいの期間を使うのかを考える。ここがまた難しい。。。1)ゴルファーといったいどのくらいの期間の契約なのか? 2)いつに、そして3)どの大会に焦点を当てるのか? をまず決めないといけない。で、ここは便宜上彼・彼女とは3年契約とする。
で、3年後に最低でも世界ランキング10位以内に入ることを最低目標とし、どこかのメジャーな大会で優勝することを最大目標とする。自分はいつもエリートアスリート達と働く時はこの最低・最大目標を大事にする。理由はまた今度。
3年の契約なので、ここに3ヵ年計画を作ることができる。
ざっくりと比率で表すと
1年目=筋力向上 筋力:スピード:パワー= 6:3:1
2年目= スピード向上 筋力:スピード:パワー= 4:5:1
3年目=パワー向上 筋力:スピード:パワー= 3:2:5 みたいな感じにする。
そこから自分は3年間を合計9ヶ月のオフシーズンと27ヶ月のプリ&レギュラーシーズンに分ける。この27ヶ月を上記のように3つの9ヶ月に分ける。その上で1年目は”準備期”、2年目は”移行期”、3年目は”試合期”とする。
また各9ヶ月をざっくりと3ヶ月に分けGPP、 GSP、SPPとする。
GPP= General Preparation Phase (幅を広げる期間)
GSP= General Specific Phase(底を深くする期間)
SPP= Specific Preparation Phase (質を高くする期間)となる。
そして、ウェイトトレーニングの進度を測定によってモニタリングしていく。
前回自分は測定項目を
1)カウンタームーブメントジャンプ
2)スクアットジャンプ
3)Y balance テスト
4)握力テスト
5)ベンチスロー、もしくはボールスロー とし他にもメディシンボールのインパクト計測できる方法があればやってみたいと書いた。
なぜモニタリングしていくのか?それは計画に適切な修正を加えるためである。計画がなければ前に進めないが、テスティングのデータやゴルフの結果によって本当に自分達が向かおうとしている方向が正しいのかを逐一チェックする必要がある。
さらに通年の負荷をどうするかも考えないといけない。試合前にウェイトがしたいのか?したくないのか?やるとしたらどれくらいの負荷になるのか?プライミングはするのか?考えなければいけないことはたくさんあるし、考えなければ前には進めない。もちろん余計なことは考える必要はない。
またリカバリー戦略も必要となってくる。ゴルフのレベルが上がれば世界各地に飛んでいくし、国内であろうとリカバリーで一番大事な栄養と睡眠が取れるとは限らない。なので、何をするべきなのかをあらかじめ決めておく必要がある。
これからプロゴルフを目指す選手達には是非トレーニング計画やリカバリー戦略に関して考えてもらいたい。
以上。